Windows 10 Mobileは第3のOSになれるか!?:SIM通
ここに来て注目度急上昇中の「Windows 10 Mobile」。そこで今回は、モバイル版「Windows」の歴史や、Windows 10 Mobileの最新情報などをまとめてみました。
iOS・AndroidのスマホOS 2強体制に、マイクロソフトは喰らいつくことができるか。
PC向けOS「Windows 10」のモバイル版、「Windows 10 Mobile」の注目度がここに来て急上昇中です。過去にはBlackBerry OS、Firefox OS、Tizenなどのスマホ用OSもiOS・Androidに挑戦。今回はそんな一連の流れや、Windows 10 Mobileについてまとめてみました。
元祖スマホ用OSは、Windows Mobileです。最初期のバージョンはWindows Mobile 2003、日本での一般向けに登場した機種は2005年のW-ZERO3でウィルコムから出ています。
Windows Mobileはフィーチャーフォン全盛期の中でビジネスマンやアーリーアダプターから一定の支持を集めていました。OutlookやOfficeアプリを入れて、外出先からPCメールや資料を閲覧。今でこそ当たり前ですが、販売当初は大変画期的で、多くのガジェットファン、アーリーアダプターたちが飛びついたものです。
スライド式キーボードを搭載した機種も多く、タッチパネルタイプのスマホがほとんどの現在では、目新しいデザインに映るかもしれません。
数こそ多くないものの、当時、ドコモ・au・ソフトバンク・ウィルコム・イーモバイルの各キャリアから搭載機種が発売し、このまま隆盛を誇るかに思われました。しかし、2008年iPhone 3G、2009年にはHT-03Aが発売され、iOS・Androidが登場すると流れが一変。ビジネスイメージのWindows Mobileと違い、フルタッチパネルの直感的操作、豊富なアプリに加速度センサーを活用した面白いゲームなどでiOS・Androidユーザが急激に増加しました。
iOSとAndroidの勢いに反比例するかのように、Windows Mobileはシェアを落とし、2010年6月発売のT-01B(ドコモ)、IS02(au)が一般向け機種の現在のところ最後。こうした反省を踏まえ、iOS・Androidに真っ向勝負を挑むために一から作り直したのがWindows Phoneです。Windows Mobile時代のアプリなどは使えなくなりましたが、Modern UIと呼ばれる大きなフォントと、タッチ操作に優れた画面配置は圧巻の一言。iOS・Androidに対抗すべく第三勢力として脚光を浴びました。
ほどなくして、スマホ進出に乗り遅れてシェアを落としていたNOKIAとマイクロソフトは熱い握手を交わし、Lumiaシリーズを展開します。2万円を切る低価格モデルから、Galaxy SシリーズなどのAndroidハイエンドモデルに並ぶスペックのモデルまで、多彩なバリエーションで攻勢をかけます。
しかし、日本で登場したWindows Phoneは2011年にauから発売されたIS12T一台のみ。Lumiaシリーズは発売が噂されていましたが、結果として「マイクロソフト社員の業務端末だった」という肩透かしを喰らうなど、日本での発売は日の目を見ることはありませんでした。
どうなる、Windows 10 Mobile
日本では完全に不発となったWindows Phoneですが、2015年に入り大きく動きだします。PC用OS「Windows 10」がスマートフォンとの連携を強化するとし「Windows 10 Mobile」を発表しました。Windows 10 MobileはWindows Phoneを発展させたバージョンで、Windows 10と同一のプラットフォームとなります。つまり、PCとスマートフォンが深いレベルで連携を図れるということですね。iOSやAndroidでは真似できないレベルでの「Windows PC」との融合。後発ならではの「大型タッグ」に、ビジネスマンを中心に期待が高まっています。
6月にはマウスコンピューターが「MADOSMA」を発売。今はWindows Phoneを搭載していますが、Windows 10 Mobileが正式にリリースされるとアップデートされる予定です。その他にも、FREETELL、VAIO、Acerなどのメーカーが国内での端末の投入を表明。さらにはスマートフォンアクセサリーブランド「トリニティ」まで端末の発売を発表しています。
この4年間で1台しか端末が発売されませんでしたが、2015年は6社以上のメーカーが参戦を表明しているWindows 10 Mobile。リリースは今年11月以降と噂されていますが、3度目の正直で普及するのか?市場の動向に注目したいと思います。
(文:モバイルプリンス)
関連キーワード
Windows 10 Mobile | スマートフォン | Windows Mobile | Windows Phone | Microsoft | ユーザーインタフェース | ブランド戦略 | SIMロックフリー | SIM通
関連記事
- 「SIM通」バックナンバー
- VAIOら3社、日本向けに「Windows 10 Mobile」デバイスを開発中
日本マイクロソフトは、VAIO、日本エイサー、トリニティの3社が日本向けの「Windows 10 Mobile」デバイスを開発中であることを発表した。【追記あり・画像追加】 - サードウェーブ、Windows 10 Mobile搭載SIMフリースマホのスペックを公開
サードウェーブデジノスは、9月に開発を発表したWindows 10 Mobile搭載スマートフォンの液晶画面サイズなどスペックを公開した。 - ジェネシス、Windows 10 Mobile搭載の格安LTEスマホ「WPJ40-10BK/WH」発売
ジェネシスホールディングスが「geanee」ブランドの「Windows 10 Mobile LTEスマートフォン WPJ40-10BK/WH」を発表した。2015年末から2016年始にかけて発売する。 - 続々と登場する「Windows 10 Mobile」搭載スマホ――普及への期待と課題
VAIO、Acer、トリニティ、サードウェーブなどのメーカーが、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンの投入を発表。日本でにわかにWindows Phoneの動きが活発になってきた。今回は、Windows 10 Mobileの今後の展望と課題をまとめていきたい。 - 「Lumia抜き」で立ち上がる日本のWindows 10 Mobile市場
国内でのWindows 10 Mobile端末の展開について、新たに3社を加えた6社が発表された。だがそこに本命だったはずの「Lumia」シリーズの姿はなく、日本マイクロソフトの判断に疑問の声が上がっている。
関連リンク
Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.