auショップが離島の特産品を売る理由 KDDIの「しまものプロジェクト」とは
「au WALLET Market」を通じて離島の特産品を販売しているKDDI。離島支援を目的とした「しまものプロジェクト」とは一体どんな活動なのだろうか。
KDDIは12月17日、離島地域の活性化を目的に、離島の情報発信や教育サポートを行う「しまものプロジェクト」を発表した。第1弾として、全国約2500店のauショップで買い物ができる「au WALLET Market」を通じ、各地の特産品を販売している。
取り扱うのは、鹿児島県喜界島の「ゴマオイル&ごま菓子『GOMACASI』セット」、沖永良部島の「マンゴーコンフィチュール&カーブチージャムセット」、熊本県天草諸島の「柔らかタコすてーき入りタコ三昧セット」、東京都八丈島の「伊豆諸島の銘肴。くさやチーズ」など11品。
離島の特産品であることが分かるよう「しまものマルシェ」というマークも付けられている。価格は2000〜5000円代で、注文から11日〜16日後の配送。人気のため、既に品切れとなった製品もあるという。
離島で作られる特産品は、流通面で物理的な制約を大きく受けているのが実情。またECの活用も進められているが、マーケットには既に大量の商品があり、そのままでは埋没してしまうのが課題だという。
そこでKDDIは、全国各地にあるauショップの店頭で商品を選べ、注文するスタイルのau WALLET Marketを販路として提供。店舗数の多さはもちろん、ネット購入に縁が無い層にもリーチできることから、流通面だけでなく差別化の面でもメリットが大きいという。多くの特産品が、au WALLET Marketが掲げる「ちょっといいもの」というコンセプトにもマッチしているのも決め手だった。
しまものプロジェクトはKDDIのCSR活動の一環であり、直接のきっかけになったのが、2014年5月に開始した「沖縄離島“15の春”旅立ち応援プロジェクト」。このプロジェクトは、沖縄の離島に住む児童・生徒が沖縄本島の高校に進学した際、スマートフォンやタブレットの使い方で困らないように現地でICT教育を行うというもの。活動を通じて離島地域の産業が抱える課題を知ったKDDIが、新たな支援を決めた。
東京の大企業によるサポートだが、「東京ルールを押しつけない」のがルール。現地の実情に合うよう、離島に関する情報を提供している離島経済新聞社とタッグを組んで、きめの細かい支援を心掛ける。
今後は販売する特産品を増やすほか、離島における商品開発やITスキルの向上など、地域人材の教育サポートも実施。売り上げの一部を離島地域の活性化のために役立てるなど、支援の幅を広げる予定だ。
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