日本の中古iPhoneが海外へ転売されている? 実態を見てきた:中古携帯の動向を追う(1/3 ページ)
大手キャリアが下取りしたiPhoneが海外に流れているのではないか? ということがウワサされています。その実態を確かめるために、香港と深センへ渡りました。いくつかのショップを見て回ったところ……。
はじめまして、中古携帯事業を展開する「携帯市場」の粟津浜一と申します。ここ最近、日本で盛り上がりつつある中古携帯の市場について、事業者だからこそ分かる視点で、コラムを書いていきたいと思います。初回は「iPhoneの海外転売」についてです。
2012年9月にソフトバンクが開始した中古携帯電話の下取り。その後、ドコモとauが続きました。下取り対象機種は、iPhone、Androidスマートフォン、タブレット、さらにはガラケーまで広がりました。
このような下取りに関して、まことしやかにウワサされていることがあります。それは、「下取りしたiPhoneが海外に流れているのではないか?」です。このウワサを検証するため(日本版のiPhoneを見つけるため)に、世界最大の中古携帯電話流通のハブといわれる、香港と深センに潜入取材してきました(取材日:2017年3月上旬)。
香港では日本のiPhoneは見つからず
最初に訪れたのが、香港の中古スマホの聖地といわれる旺角(モンコック)の先達広場。地下鉄旺角駅D2出口を出て徒歩数分で到着しました。
多くのお店でiPhoneの取り扱いがあるものの、香港のSIMロックフリーモデルばかりでした。ちなみに、香港の店舗は開店時間が遅く、14時から15時。午前中はシャッター街なので、行かれる方はお気を付けください。
旺角では約50店舗を回り、「日本版のiPhoneはないですか?」と聞き続けるも、見つかりませんでした。理由は以下の通りです。
- 日本版はSIMロック解除料金がプラスされるので、香港版や米国版に比べて価格が高い
- 日本版はカメラのシャッター音を設定で消音にできず、敬遠される
- 香港人は香港版が好き
どこのお店に行っても同じことを言われました。
続いて、古い電気街の深水ホへ向かいました。深水ホは、若者やおしゃれな店が多い旺角の雰囲気とは180度異なり、シニア層が多い町です。お店は露店メインの歩行者天国で道の両サイドだけでなく、中央にも店が並んでいます。
自分の好きな携帯電話番号を選べるSIMカードを販売しているお店もあり、まるでチケット屋さんのようです。日本では同じ数字が続くぞろ目や、語呂の良い番号、「7」「3」という数字が人気ですが、香港では「8」が縁起の良い番号のようです。
旺角よりもiPhoneの販売展示数は多かったですが、日本版iPhoneは見つかりませんでした。
結局、香港滞在中に100店舗以上を訪れ、1万代以上のiPhoneを確認しましたが、日本のモデルは1台も見つかりませんでした。
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