PHSとW-CDMAの“両刀遣い” W-ZERO3シリーズの最終モデル「HYBRID W-ZERO3」(懐かしのケータイ)
PHSスマートフォンとして人気の「W-ZERO3」シリーズの最終モデル「HYBRID W-ZERO3」は、W-CDMA(3G)通信にも対応。QWERTYキーボードは搭載せずにダイヤルキーを採用し、ケータイに近いUIを搭載するなど、よりケータイに近いスマホとなりました。
ITmedia Mobile編集部で発掘された、思い出のケータイを振り返る連載。今回紹介するのは、ウィルコム(現・ソフトバンク)のシャープ製スマートフォン「HYBRID W-ZERO3(WS027SH)」です。
HYBRID W-ZERO3は、Windows Mobileを採用したスマホの人気シリーズ「W-ZERO3シリーズ」の最終モデルとなった製品です。「W-SIM」を使ったPHS通信に加え、単体でのW-CDMA(3G)通信にも対応しました。PHSとW-CDMAの両方に対応する世界初の端末となります。
端末自体も注目を集めていましたが、PHSでのデータ通信が無料となるように専用料金プランが改定されたことで、一時は在庫がほとんど無くなるほどの人気となりました。
従来のW-ZERO3シリーズは横にスライドするボディーでしたが、HYBRID W-ZERO3では縦にスライドする方式に変更されました。シリーズの特徴ともなっていたQWERTYキーボードは搭載されず、ダイヤルキーを採用しました。
ケータイに近い操作感を実現するオリジナルのユーザーインタフェース「WILLCOM UI」を採用し、ケータイユーザーが安心して乗り換えられるよう工夫されていました。
OSはWindows Mobile 6.5 Professionalを採用。従来のW-ZERO3シリーズではWindows Mobile ProfessionalはPHSの通信方式に対応していなかったためWindows Mobile Classicを採用していましたが、W-CDMAの通信機能を備えたこともあり、シリーズで初の「Professional」採用となりました。
W-CDMA通信で利用するSIMカードスロットは本体に備えていました。W-SIMスロットに同時期に発売されたW-SIM型GSMモジュール「CM-G100」を挿すと、海外のGSMエリア用SIMカードを利用して海外でも通話とデータ通信を利用できました。
W-CDMAでのデータ通信については、自社がMVNO(仮想移動体通信事業者)としてサービスを提供する「WILLCOM CORE 3G」を利用していました。2010年1月の発売当初はNTTドコモの回線を使っていましたが、同年10月にソフトバンクモバイル(現・ソフトバンク)の回線を利用するバージョンが発売され、順次ソフトバンク回線モデルに変更されていきました。
「HYBRID W-ZERO3」の主な仕様
- 発売日:2010年1月28日
- キャリア:ウィルコム
- メーカー:シャープ
- サイズ:約53(幅)×120(高さ)×16.9(奥行き)mm
- 重量:約158g
- メインディスプレイ:3.5型(480×854ピクセル)モバイルASV液晶 26万2144万色
- アウトカメラ:有効約500万画素CMOS
- ボディーカラー:ノーブルブラック、プレミアムゴールド
関連キーワード
HYBRID W-ZERO3 | W-CDMA | PHS | ウィルコム | Windows Mobile | W-SIM | シャープ | モバイルASV液晶 | WILLCOM CORE | Windows Mobile 6.5
関連記事
- ウィルコム、PHS+3.5G対応のスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」発表
PHSとW-CDMAのハイブリッドな通信機能を備えたスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」が登場。2010年1月に発売する。OSにはWindows Mobile 6.5を採用した。 - 写真で解説する「HYBRID W-ZERO3」
PHSと3.5G(HSUPA)のネットワークが利用可能な「HYBRID W-ZERO3」は、これまでのW-ZERO3シリーズをさらに使いやすく進化させたモデル。伝統のQWERTYキーをやめ、縦スライドボディを採用したHYBRID W-ZERO3の試作機をチェックした。 - ソニエリ初のFOMA「SO902i」はストレート型ボディ(懐かしのケータイ)
ソニー・エリクソン初のFOMA端末「SO902i」は、同社初の300万画素を超えるカメラの搭載、Symbian OSの採用、FOMA 90xiシリーズ初のストレートボディー採用など、“初モノづくし”のケータイでした。 - シリーズ最小・初めてワンセグを内蔵したスマホ「WILLCOM 03」
ガジェット好きに人気だった「W-ZERO3」シリーズ。その中で最もコンパクトかつ軽量だった「WILLCOM 03」。ハードルの高い印象が強かったスマートフォンを一般ユーザーにも訴求すべく、ワンセグを内蔵し、鮮やかなボディカラーを採用しました。 - W-ZERO3よりも“ケータイ”らしくなった「W-ZERO3[es]」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.