申込数は「想定通り」、内容には「賛否両論あった」 IIJmio「コミコミセット」の狙い:MVNOに聞く(2/3 ページ)
IIJが、「IIJmio」で端末と通信費をセットにした「コミコミセット」を開始。IIJ側でチョイスした端末とSIMカードをセットで契約することで、1年目の料金が1880円からと安くなる。まだトライアルの段階だが、IIJにはどのような狙いがあるのだろうか。
批判も多いが説明をする分かってもらえる
―― 1880円という価格は、大手キャリアのサブブランドの価格設定を意識したのでしょうか。
今井氏 意識はしましたね。
―― 決算の数字を見ると、契約者数の伸びが鈍化している傾向もあり、その原因の1つが大手キャリアのサブブランドだともいわれています。コミコミセットは、そこに対抗する策という理解でよろしいでしょうか。
堂前氏 直ちに(サブブランド対策と)結び付くわけではありませんが、結果として伸びていないのは事実で、販売施策は考えなければいけません。分かっている層にはある程度行き渡っているので、次の一手を考えなければ下がってしまう。今回(のコミコミセット)はいろいろとやる中での一環です。
―― ちなみにですが、もちろんセットで買った方が安いんですよね。
今井氏 1年で1万3000円弱、安くなるようにしています。そこは、(普通のプランを選ぶより)不利にならないようにしました。ただ、賛否両論あります。こちらとしては、われわれの持ち出しで値引きしたと考えているのですが、受け取る側としては、(1年目と2年目で)料金に階段を作られたように感じてしまうこともあるようです。正式プラン化する際には、どちらがいいのかというところですね。
佐々木氏 (Twitterで)直接(批判的な)メンションをいただくこともありますが、違約金がない、リスクがないということをしっかりご説明すると、ご理解いただけることも多いですね。全てのツイートには対応できませんが、きちんと説明すれば、いいプランだと分かってもらえます。今はキャンペーンになっていますが、トップページにグラフを貼って、1年目以外の料金が分かるようにしていたり、そういうところには気を付けて作ったつもりです。後は、それをしっかり伝える努力をしなければいけないですね。
―― 途中で解約した際に、違約金がないというところは、大手キャリアの仕組みに慣れていると、逆にすんなり理解できないところなのかもしれません。
今井氏 その場合も、端末代(の残債)だけを払えばいいようになっています。
堂前氏 加えて言うと、端末代の残金は一括でも支払えます。2カ月目に残りの23カ月ぶんを払うということもでき、払えばそのぶんだけ料金が下がります。ですから、(途中で解約して際に払うのは違約金ではなく)あくまで、分割払いの代金がかかるだけです。
端末以外をあえて選ばせないようにした
―― 料金プランが3GBの「ミニマムスタートプラン」のみなのは、なぜでしょうか。
堂前氏 2カ月目からは、変えられるような形にしています。コミコミセットは端末以外をあえて選ばせないようにしています。
―― それはなぜですか。
今井氏 選択肢を極力狭めることで、買いやすくしたかったからです。実際、コミコミセットを申し込もうとすると、選択肢は端末の種類と、色、あとはMNPするかどうかだけになります。
―― セットするプランを6GBの「ライトスタートプラン」にするという手もあったかと思います。
今井氏 今、われわれの平均利用を見ると、3GBあれば十分という方が多いからです。1カ月たってみて足りないようでしたら、変えていただければと思います。
―― 意外と利用量が少ないですね。
堂前氏 全体的に見ると、ライトスタートプランも増えているので、利用量が上がっているのは間違いありませんが、(どれか1つというときに)ライトスタートプランをオススメするかどうかは分かれるところです。明らかにヘビーに使う方は違うかもしれませんが、まだ3GBかなという感触ですね。
―― 現状は、ネットのみの受付になっていますが、リアルな場での提供は考えているのでしょうか。
今井氏 直販サイトのみで、今のところ、リアル店舗では提供していませんが、店舗を持つ代理店さんからの熱いラブコールはあります。そういうところでの展開も検討していて、トライすることも考えています。
―― 店舗では、やはり端末も一緒にあった方が売りやすそうですしね。
今井氏 そうですね。加えて、端末を分割払いにできることも(代理店にとって)大きな魅力のようです。
―― 最終的に、通常のプランとコミコミセットの比率はどうなると考えていますか。
佐々木氏 われわれは家電量販店比率が高く、家電量販店がこういうもの(コミコミセット)を取り扱うかというと、そういうムードではありません。彼らは彼らで端末コーナーをお持ちなので、独自に販売しているところが多いですからね。ただ、先ほど今井が申し上げたように、われわれの代理店が全て家電量販店かといえば、そうではありません。ということで、比率自体は上がっていくと思っています。
関連キーワード
IIJ | IIJmio | HUAWEI nova lite | HUAWEI P10 lite | arrows M03 | CAT S40 | Huawei P10 | MVNOに聞く | プラスワン・マーケティング | 楽天 | VAIO Phone A | ZenFone Live
関連記事
- IIJmio、月額1880円〜の「コミコミセット」をトライアルで開始 その狙いは?
IIJが、MVNOサービス「IIJmio」向けに、端末代、通信料、通話定額の3つをセットにした「コミコミセット」を提供する。1年目を中心に通信料と通話定額の月額料金を割り引く。テストマーケティングとして、3カ月限定でオンラインのみで提供する。 - 「IIJmio」の純増が鈍化 勝社長は“サブブランド”の影響を認める
キャリアのサブブランドが、MVNOにも影響を及ぼしている。IIJmioの純増数が2017年度第4四半期から鈍化。IIJ勝栄二郎社長は「この状況が長く続くとは思わない」と楽観視しているようだが……。 - IIJmio、「BLADE V8」「CAT S40」「GRANBEAT 」「NuAns NEO [Reloaded] 」を販売
個人向けSIMロックフリースマートフォンの販売サービス「IIJmioサプライサービス」へ、新たに「BLADE V8」「CAT S40」「GRANBEAT 」「NuAns NEO [Reloaded] 」の4機種が追加。うち3機種の新規および既存ユーザーへAmazonギフト券をプレゼントするキャンペーンを行う。 - 「IIJmio」は95.1万回線に ソフトバンクSIMはMVNEとして提供する? IIJ決算
IIJが2016年度通期の決算について発表。モバイルサービスの総回線数は185万6000になり、16年度は62万8000の純増となった。2017年度はさらなる純増を目指す。 - シェア急増の楽天モバイル 「スーパーホーダイ」や「iPhone販売」の狙いを聞く
楽天が楽天モバイル向けの新料金プラン「スーパーホーダイ」を提供。容量を使い切った後も、1Mbpsと比較的高速なデータ通信が可能なのが大きな特徴。このプランを中心に、楽天モバイルの戦略を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.