「iPhoneは強いと再認識」 榛葉副社長に聞く、ソフトバンクのモバイル戦略(1/3 ページ)
iPhone 3GからiPhoneを扱ってきたソフトバンクでは、必然的に“iPhone商戦”に力が入る。2017年はiPhone 8/8 Plusの発売に合わせ、「半額サポート for iPhone」や50GBの「ウルトラギガモンスター」を発表。同社のモバイル戦略を、iPhoneを中心に榛葉淳副社長に聞いた。
iPhone 3Gから4まで独占的にiPhoneの取り扱いを続けてきたこともあって、ソフトバンクはiPhoneのシェアが他社よりも高いキャリアだ。必然的に、毎年の“iPhone商戦”には力が入る。2016年は、他社に先駆けて20GB、30GBプランの「ギガモンスター」を導入。iPhone 8/8 Plusの発売時には、さらに容量を上げた50GBの「ウルトラギガモンスター」を新設した。これらは、単に容量が上がっただけでなく、既存のプランと大きく料金が変わらないのも特徴だ。
また、ウルトラギガモンスターと同時に、「みんな家族割」も発表した。これは、同一住所の複数人で契約すると、ウルトラギガモンスターの月額料金が割り引かれるというもの。ソフトバンクはその前身となるボーダフォンやJ-フォン時代から家族割の適用範囲が緩く、同棲なども対象と認めていたが、それをあらためて訴求し、売りにつなげている。
秋冬商戦では、この料金プランの他に「Xperia XZ1」や「AQUOS R compact」などのAndroidスマートフォンも導入。iPhone 8/8 Plusで開始した、4年の割賦と下取りを組み合わせてお得に機種変更できる「半額サポート」を、Androidにも適用することが決まった。半額サポートは、月月サポートを残したまま4年割賦にでき、毎月の負担額が下がるのと同時に、2年後に残債無料で機種変更できるのがメリットだ。
こうした各種施策を導入したソフトバンクだが、秋冬商戦の緒戦ともいえるiPhone 8/8 Plusの反響はどうだったのか。また、11月に控えたiPhone Xをどう見ているのか。秋冬商戦に向けたソフトバンクの取り組みを、同社の代表取締役副社長兼COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)の榛葉淳氏に聞いた。
iPhone Xの方が売れる可能性は十分ある
―― 最初に、iPhone 8/8 Plusの反響を教えてください。2017年は例年とは異なり、iPhone Xもありますが、何か違いがありましたか。
榛葉氏 結論から言うと、やっぱりiPhoneは強いと再認識させられました。これが結論であり、お伝えしたかったことです。今回は、初めてiPhone 8/8 PlusとiPhone Xがスプリットし(分かれ)ましたが、最終的には5対5、6対4、4対6になっても、7対3や8対2のような比率にはならないと思います。
今、ちょうど半分(iPhone 8/8 Plus)がリリースされた段階ですが、iPhone Xの見込みを含めれば、昨年(2016年)のiPhone 7を超える数のご支持をいただいています。もちろん、iPhone X次第ということもありますが、iPhone Xが2割、3割ということはないと思いますので、勢いを感じますね。
確かに、数年前まではイベント的に、銀座や表参道、家電量販店に並ぶお祭り騒ぎもありましたが、今はそれもありません。今は計画経済のようなものですからね。今回は「あなたファースト」「ストレスフリー」を掲げましたが、オペレーション1つ取ってもそうです。中には並んでくださった方もいますが、ほとんどの皆さんはネットで予約いただき、何日、何時からというふうになっていました。
―― iPhone Xの見込みが相当高いですが、年内の生産台数がかなり低くなるのではという報道もあります。十分な数をそろえられそうでしょうか。
榛葉氏 われわれも買いたい、欲しいと思っています(笑)が、こればかりは、直前まで分からない。ただ、日本に1台でも多く持ってきて、お待ちいただいているお客さまにお届けしたいという、強い気持ちはあります。
実際、当初の予測よりiPhone Xを期待されている方が多いかなというところがあります。もちろん、iPhone Xを見てからiPhone 8/8 Plusにする方もいるとは思いますが、品薄問題は別にして、iPhone Xの方が多くなる可能性は十分あります。いずれにせよ、iPhone 8/8 Plusでご好評いただいているプログラムはiPhone Xにも適用して、これを1人でも多くのお客さまにお届けしたいと考えています。
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