“グループを挙げて”基地局設置交渉――楽天がキャリア事業の進捗を説明:ネットワークベンダーも公表(2/2 ページ)
子会社を通して2019年10月に携帯キャリア事業に参入する予定の楽天。その進捗(しんちょく)が明らかとなった。料金については未確定要素が多いものの、ネットワーク回りについてはある程度順調に進んでいるようだ。
販売拠点:「楽天モバイル」のショップを転換
楽天は、同社が展開するMVNOサービス「楽天モバイル」のリアル店舗網である「楽天モバイルショップ」をそのままMNOサービスでも利用する計画を立てている。
楽天モバイルショップは当初、同社直営で展開していたが、代理店による出店や家電量販店内のコーナー出店も進めた結果、10月18日までに全都道府県への出店を果たした。
先行する大手3キャリアと比べると数は少ないものの、全国に店舗を構えたことでMNOとしての「体(てい)」はある意味で整ったともいえる。
料金:ユーザー目線で魅力的なものを提供
菅義偉官房長官が「携帯電話料金は4割値下げできる」という旨の発言をしたことから、大手キャリアの携帯電話料金について注目が集まっている。
NTTドコモは吉澤和弘社長が「2019年度第1四半期に2〜4割程度値下げする」と発表したのに対し、KDDIは高橋誠社長が「政府のいう『宿題』をやってきているつもりである」として追加の値下げは検討していない旨を明らかにしている。ソフトバンクについては、ソフトバンクグループ(親会社)の孫正義社長から「Y!mobile」において2019年度に分離プランを導入予定であることが発表された。
今回の決算説明会の質疑応答では、上記のような動きを踏まえて楽天のMNOサービスの料金に関する質問がなされた。
―― (一部の)大手キャリアが値下げを発表していると思う。楽天がMNO事業を始めるにあたり、(値下げの動きによって)料金に影響することはあるのか。
山田副社長 まだ(サービス開始は)1年先なので「他社さんがどう」というよりはユーザー視点で魅力的な価格を提供したいと考えている。最終的な価格戦略はまだ決まっていないが、(低廉な価格を)かなり期待されていると思うので、それに応えられるようなものにしたい。
具体的な料金戦略については触れなかったものの、ユーザー目線でも魅力的な料金を提供する姿勢を示した。
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