KDDIが「5G」を活用した小学生向け体験学習 駅ホームでの安全性を高める実験も
KDDIらは、小学校の授業で次世代移動通信システム「5G」を活用した動画再生とファイルダウンロードを体験する学習を国内で初めて実施。また、京急電鉄の羽田空港国際線ターミナル駅で行った安全・安心やインバウンドの利便性向上を目指す5Gの応用実証にも成功した。
KDDIと国際電気通信基礎技術研究所が、次世代移動通信システム「5G」を活用した動画再生とファイルダウンロードの体験学習を実施した。
今回の実験は小金井市立前原小学校の体育館へ、28GHz帯の実験システムを用いたエリアを構築。児童は5G対応のタブレットとWi-Fi対応のタブレットで同時に動画再生とファイルダウンロードを行い、5Gの特徴である超高速・大容量を体験した。授業の中では5Gが普及した後の社会について児童が考え、さまざまな意見交換なども行われた。
また、KDDIと国際電気通信基礎技術研究所はパナソニック、早稲田大学、京浜急行電鉄との5G応用実証にも成功。実証実験は多くの訪日外国人の利用が見込まれる京急電鉄の羽田空港国際線ターミナル駅を対象とし、上り地下ホームに28GHz帯の実験エリアを構築た。
駅ホームの固定カメラとロボットに搭載した4Kカメラの映像を、5Gを通じてモニターやVRゴーグルに送信。この映像をサーバで収集・分析し、2K映像では発見できなかった刃物の検知や不審者に対する見回りロボットが駆け付けるというもの。他に、5Gタブレットを用いた同時翻訳や4K画質による観光案内映像の配信も行った。
小学校と駅ホームでの実証試験は2018年11月21日〜12月12日の期間、総務省の技術試験事務における5G総合実証試験として実施。サムスン電子が提供する「5G エンドツーエンドソリューション」を用いていおり、それぞれの実証実験は国内初となる。
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