「ソフトバンク」と「Y!mobile」 2ブランド併存戦略の“功罪”(3/3 ページ)
ソフトバンクには「ソフトバンク」と「Y!mobile」の2ブランドが併存している。同社は両ブランドの料金プラン設定などを変えることでより幅広いニーズに応えようとしているが、課題もある。両ブランドは、今後どうなるのだろうか。
課題3:端末ラインアップ
ソフトバンクとY!mobileのブランドすみ分けは、主に料金面に軸を置いているが、実際は端末ラインアップも差別化している。
ソフトバンクブランドは最新のiPhoneやハイエンドAndroidスマートフォンが主体。それに対し、Y!mobileは比較的手頃なAndroid Oneスマホや古めのiPhoneが主体で、SIMカードの単品販売やSIMロックフリースマホとのセット販売にも力を入れている。
最近でこそ、ソフトバンクブランドでも一部のAndroid Oneスマホを取り扱うようになったが、それでも両ブランドでは取り扱い端末に差がある。
ブランドを料金で分けるのは良いが、端末まで分けてしまうと、「安い料金でハイエンド端末を使いたい」「大容量プランがほしいけれど端末はそこそこで良い」というニーズに応えづらくなってしまう。
この課題に関しても、質疑があったので紹介したい。
―― 端末について、Y!mobileでは2018年12月から「iPhone 7」を売ってますが、最新のiPhoneを取り扱うソフトバンクブランドと比べると「2年遅れ」のものです。先ほど、ブランドの運営一体化に関する話がありましたが、なぜブランドによって端末を分けているのでしょうか。
また、今後の分離プランが導入されると、Y!mobileで古い端末(iPhone)を売る意味が薄れると思うのですが、Y!mobileで最新iPhoneを扱う可能性はあるでしょうか。
宮内社長 この点については、いろいろ検討をしている所です。
(総務省が打ち出してくる)「完全分離」がどんな具合になるのか次第の面もありますから、いろいろ話し合いつつ検討を深めていくことになります。
ただ1点気になるのは、端末に付随するサービスをどう提供するのかということです。例えばY!mobileでは「かんたんスマホ」も売っていますが、これに付いている「押すだけサポート」をどうするのかという問題もあります。
総務省ともいろいろお話しをしていますが、端末とネットワークがリンクしているサービスをどうしていくのか、という点は大きな議論になるのかなと考えています。
―― 「新しいiPhoneを安い料金で」というニーズにはどう応えるのですか。
宮内社長 そういう人はすでに、Y!mobileでSIMカードだけ用意して、Apple StoreでSIMロックフリー版を購入していると思います。
ソフトバンクとY!mobileの端末ラインアップ統合は、今後の法令・ガイドラインの改正内容次第となりそうだ。
関連記事
- Y!mobileは2019年度上半期に分離プラン対応へ ソフトバンク宮内社長が言及
ソフトバンクが上場後初となる決算説明会を開催。同社の宮内謙社長が、ソフトバンクとY!mobileの両ブランドにおける「分離プラン」について言及した。 - ソフトバンク&Y!mobileショップ、災害対応蓄電池や「避難所支援キット」などを配備
ソフトバンクとウィルコム沖縄は、携帯電話サービスの災害対策の一環として全国のソフトバンクショップとY!mobileショップへ災害対応蓄電池を配備。また、全国の事業所などへ充電サービスや無料電話サービスなどを提供するための機器をセットにした「避難所支援キット」なども用意する。 - 2019年の学割、Y!mobileとUQ mobileはどちらがお得?
2019年も学割シーズンが到来した。3キャリアはもちろんだが、サブブランドのY!mobileとUQ mobileも学割を実施している。結論から言うと、UQ mobileの方がお得だと感じた。 - Y!mobile向け「iPhone 6s」値下げ 32GBが新規、MNPで一括540円(税込)に
ソフトバンクが、Y!mobile向け「iPhone 6s」を値下げした。32GBモデルは新規、MNPで一括540円(税込)に。分割払いだと頭金540円のみで実質0円になる。 - ソフトバンクとY!mobileも「契約満了月」の契約解除料を無料に 3月満了分から
NTTドコモに続き、ソフトバンクも定期契約における契約更新期間を3月から順次延長。契約満了当月でも解除料なしで解約、または定期契約の解除が可能となる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.