インカメラが飛び出す「Vivo S1」は約4万円〜の普及モデル:山根康宏の海外モバイル探訪記
2018年はインカメラを隠すための工夫を凝らしたスマートフォンが多数登場しました。インカメラを隠す最大のメリットは、ディスプレイ上部に欠き取り部分を不要とすること。中でもVivoの「S1」は、2398元(約4万円)からと手ごろなのが大きな魅力です。
2018年はインカメラを隠すための工夫を凝らしたスマートフォンが多数登場しました。中でもインカメラを収納式にして、モーターで上下に動かす機構を初めて搭載したVivoの「NEX」には驚いたものです。そのVivoが2019年に投入した「S1」は、もはやカメラがポップアップすることなど普通のこと、と言わんばかりの低価格が魅力の製品です。
インカメラを隠す最大のメリットは、ディスプレイ上部に欠き取り部分を不要とし、しかも上部のベゼル幅を最小にできること。つまりフロント面全体をディスプレイにすることができるのです。Vivo S1を正面から見ると全画面ディスプレイの良さが分かるでしょう。
カメラ収納式のギミックを採用しながら、Vivo S1の価格は2398元(約4万円)からと手ごろなのは大きな魅力。スペックはCPUがHelio P70、メモリが6GB、内蔵ストレージが128GB、6.53型の1080×2340ピクセルディスプレイ、アウトカメラが1200万+800万+500万画素、インカメラ2500万画素。指紋認証センサーは背面に位置します。
本体サイズは76(幅)×162(高さ)×8.5(奥行き)mmと、可動部分がありますが厚みは一般的。一方、重量は189.5gで、やはりカメラを動かすモーターを内蔵することなどから若干重いようです。とはいえ、持ってみると思ったほどの重量は感じられません。
カメラを起動してインカメラに切り替えると、本体の左上からカメラが出てきます。日本でも発売されたOPPOの「Find X」は本体上部全体が上下に動きましたが、Vivo S1はインカメラモジュールのみが動きます。そのため動きは軽快です。そしてインカメラを使えば当然のことながら美顔モードなども利用可能。背面よりもインカメラが高画質なのはターゲットユーザーが若い女性などだからでしょう。
背面から見ると、アウトカメラの並んでいるラインにつながるようにインカメラが収納されていることが分かります。単純にカメラを上下に動かすだけではなく、カメラが出てきたときも裏側から見て美しいフォルムを保つ。Vivo S1を手に持ちセルフィーをしている姿を他の人が見たら、その端末の背面デザインに魅せられるかも。
日本には未参入ですが、Vivoは既に東南アジアやインドではトップブランドの仲間入りをするほど人気のメーカーです。S1のように価格を抑えながらも最新トレンドを採用した端末を投入することで、ブランドイメージをさらに高めようとしています。日本への投入もいつか期待したいものです。
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