「スマホおかえしプログラム」の誤解とは? ドコモに聞く、新料金施策の手応え(1/3 ページ)
6月1日に、ドコモの新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」がスタートした。分離プランなので端末価格が上がることが懸念されるが、ドコモはハイエンド端末向けに「スマホおかえしプログラム」を提供。新料金プランの反響や、スマホおかえしプログラムの狙いを聞いた。
6月1日に、ドコモの新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」がスタートした。ギガホ、ギガライトはいわゆる“分離プラン”で、月々サポートが付かないため、見かけ上、端末の価格が上がってしまうことが懸念されたが、ドコモはハイエンド端末向けに「スマホおかえしプログラム」も導入。合わせて粗利を抑えることで、半額のサポートを打ち出している他社に並ぶ価格を打ち出すことができた。
ギガホ、ギガライトはこれまでと大きく料金体系が変わるため、実際に自分がいくら安くなるのかが分かりづらい。また、端末の補助がない代わりに素の料金が安いという分離プランの特性上、月々サポートが残った状態でプランを変更すると割高になってしまう。ドコモも、月々サポートが切れてからのプラン変更を勧めているが、一方で、それがいつになるのかを正確に把握している人は少ないはずだ。
こうした事情に鑑み、ドコモは新料金プラン発表時に簡易的な料金シミュレーションサイトを公開。さらに、新料金プランの予約開始後に、契約状態を参照して自動でオススメの料金プランを導き出す「しっかり料金シミュレーション」を開設した。
では、一連の新料金プランの反響やどうだったのか。前回のインタビューでは明かされていなかったスマホおかえしプログラムの詳細と合わせて聞いた。
インタビューに応じたのは、ドコモ 経営企画部 料金制度室 担当課長の御牧宏一郎氏、同部同室の金東賢氏、営業本部 販売部 営業戦略担当課長の杉崎晴彦氏の3人。主に料金については御牧氏、金氏が、販売に関する質問には杉崎氏が答えている。
初速ではギガホの申し込みが多い
―― まず、料金プランの反響からお聞かせください。
御牧氏 数は申し上げられませんが、シミュレーションサイトへのアクセスは多く、序盤戦ですが手応えを感じているところです。
―― ギガホとギガライト、どちらへの反響が大きいでしょうか。
御牧氏 絶対数でいうとギガライトの方が多くなると思いますが、初速ということでギガホに飛びついていただける傾向があります。今は、ギガホが本来の割合より多くなっていると見ていますが、これはだんだんと本来の割合に近づいていくはずです。
杉崎氏 月初は新モデルに飛びつく層がいたため、(ヘビーユーザーが多く集まりやすい)偏りはあったと思います。
―― 新規で加入したり、機種変更の際にプランも同時に変更したり、入り方はさまざまですが、月々サポートが終わって料金だけを変える方も、既にいるのでしょうか。
金氏 開始時点で月々サポートが終わっている方には、入っていただけています。これは今後、拡大すると見ています。
御牧氏 ただし、料金シミュレーションのサイトも作り込んでいて、月々サポートが終わっていない方には、無理に新料金プランを勧めるようなことはしていません。そういうことはあると思います。
金氏 あと、シェアパックを組んでいると、回線ごとに月々サポートが終わる月が異なることがあります。まだどうしようかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。全員の月々サポートが終わってから変更する方もいれば、シェアパックをバラして回線ごとに移る方もいると思います。
新プランの影響でショップがごった返すようなことはなかった
―― 今、お話に出てきたシミュレーションサイトですが、ボタンをクリックするだけで契約状態を参照して、結果も自動的に出てきました。通常、こういうサイトだと自分でプランや使用量を入力しなければならないことが多く、簡単にできて驚きました。
御牧氏 もともと新料金プランは、カケホーダイ&パケあえるを始め、競争の中で料金が複雑になってしまったところを、シンプルに、分かりやすくするという趣旨がありました。ですから、シミュレーションサイトは、当初から作り込んできました。
―― ただ、発表には間に合いませんでした。
金氏 かなり時間がかかり、ギリギリまで作り込んでいました。ただ、何もないのはご不便をおかけしてしまうため、発表に合わせて簡易的なものを作っています。
―― シミュレーションを試す方が多というお話でしたが、店頭の状況はいかがでしょうか。
杉崎氏 ドコモショップには、営業時間を1時間前倒しにするか、後ろ倒しにするかの対応をしていただきました。とはいえ、料金シミュレーションが充実して、ご支持いただいたこともあり、新料金プランのために店頭がごった返すようなことにはなりませんでした。そこはきちんと乗り越えられて、今はだいぶ落ち着いてきています。結果として、分散がうまくいったと思っています。
また、これは以前からですが、来店予約を積極的にお伝えして、無駄な待ち時間を増やさないことに、課題として取り組んでいます。この取り組みも奏功しました。まずはWebでやっていただき、不明点があれば店頭でサポートするという流れになってきています。
金氏 ただし、シェアパックを組んでいる場合は、解体の手続きがあるので、そういう場合はショップに来店されることが多い傾向にあります。
杉崎氏 そういう意味では、来店でのプラン変更はこれから増えるのかもしれません。最初の方はリテラシーの高い方が中心なので。
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