折りたたみの後は「水平線」、中国スマホメーカーが新しいディスプレイのトレンドを生み出す:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
中国のディスプレイメーカーやスマホメーカーがこれまでにない全く新しいディスプレイを開発、搭載しようとしている。Huaweiは「Mate 30 Pro」に水平線ディスプレイを採用。VivoやXiaomiもこれまでにない形のディスプレイをスマホに搭載している。
このように、ディスプレイの新しいトレンドが中国メーカーから生まれようとしている中、Xiaomiが突如発表したのが「Mi MIX Alpha」だ。まだWaterfall Displayすら普及が始まっていない中、Mi MIX Alphaはディスプレイの回り込みを背面にまで広げ、画面占有率100%以上という驚異のディスプレイを搭載した。表も裏もディスプレイであり、どちらの面を持ってもそのままスマートフォンとして使えるデザインは斬新すぎる。
側面部分はステータスエリアとすることで、表面の全てを表示エリアとしていてもバッテリー残量や通知を見ることができる。裏面はカメラによりディスプレイが左右に分かれているが、それぞれ別の表示を行うこともできるようになれば、「メイン」「サブ」という2つの使い分けもできそうだ。どのように使うかはさておき、現在の技術で実現できることをまずは製品化したというアグレッシブな姿勢は高く評価できる。
なお、1月に発表され大きな話題になったRoyoleの折りたたみスマートフォン「FlexPai」は、折り曲げたときの側面部分にショートカットキーを割り当てている。Mi MIX Alphaは誤操作防止のためかキー配置はないようだが、センサーの技術が高まれば、側面スライドキーのような機能も搭載されるようになるだろう。
裏面も使えるスマートフォンとしては、Nubiaの「X」「Z20」が存在するが、あまり話題になっていないのは、表と裏が連続した1枚になっているのではなく、それぞれ別のディスプレイだからかもしれない。両面カラーディスプレイも明確な使い方がまだ見えていないが、Mi MIX Alphaの登場で両面を使う新しいアプリケーションが生まれるかもしれない。
Samsungが折りたたみディスプレイを、LGはその昔たわむディスプレイを開発してディスプレイメーカーでもある両者の技術力の高さを世界中にアピールした。しかし、今や中国のディスプレイメーカーやスマートフォンメーカーがこれまでにない全く新しいディスプレイを開発、搭載しようとしている。スマートフォンの顔ともいえるディスプレイの技術革新は、これから中国メーカーがけん引する時代になりそうだ。
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