高コスパ「iPhone SE」と「iPhone 11」どちらを選ぶ? スペックから性能まで徹底比較(1/3 ページ)
最新の「iPhone 11」と同じプロセッサを搭載しながらもコストパフォーマンスの高い「iPhone SE」。しかしやっぱり買うのは上位機種のiPhone 11なのだろうか。ここではiPhone SEとiPhone 11の真っ向勝負をお届けしたい。
テレワークやネットサービスの利用が増える中、iPhoneをより快適に使える最新モデルへ買い替えたいと考えている人は多いはず。
そこで注目を集めているのが、4万円台から買える「iPhone SE(第2世代※以下略)」と、7万円台で買える大画面の「iPhone 11」だ。いずれも10万円以上するハイエンドの「iPhone 11 Pro」と同じ高性能プロセッサ「A13 Bionic」を搭載しており、スマートフォン全体で見ても安価かつ高性能、コストパフォーマンスの高いモデルとなっている。
だがiPhone SEとiPhone 11を比べてみると、価格から画面サイズ、機能面まで大きく異なっており、iPhoneの利用スタイルによってどちらを買うべきかが変わる。そこで、筆者が両モデルとも発売日に自腹購入して利用し続けたレビューをもとに、どちらのモデルを買うべきか見ていこう。
iPhone 11とiPhone SEの基本仕様と価格をチェック
まずは両モデルの基本仕様と価格だ。販売はドコモ、au、ソフトバンク他、Apple Storeや量販店のSIMロックフリーモデルがあるのだが、ここでは目安としてApple Storeの価格を紹介する。
iPhone 11は6.1型ディスプレイを搭載した、現iPhoneの看板機種だ。大画面でバッテリー持ちがよく、ネット動画やアプリの使いやすさを重視した今どきのモデルとなっている。この他、デュアルカメラや高品質なステレオスピーカーも搭載。生体認証は顔認証のFace IDのみとなる。
価格は税別きで、64GBモデルが7万4800円、128GBモデルが7万9800円、256GBモデルが9万800円。iPhone SEと比べると3万円高いが、そのぶん多くの機能はワンランク上の仕様となっている。このモデルを買う人は動画やアプリの利用や、カメラ撮影の機会が多いと思われるので、128GB以上のモデルを選ぶのが無難だ。
iPhone SEは、iPhone 6からiPhone 8まで引き継がれた4.7型ディスプレイ搭載のスリムな形状や、指紋認証のTouch ID搭載といった基本コンセプトをそのままに、iPhone 11シリーズと同じ最新ハイエンドチップのA13 Bionicを搭載したモデル。税別だと5万円を切る価格も魅力だ。
価格は税別で、64GBモデルが4万4800円、128GBモデルが4万9800円、256GBモデルが6万800円となる。LINEやSNSだけなら64GBモデルでも使えるが、高性能を生かして複数のアプリやゲームも楽しむなら128GBモデル以上を選びたい。
この他、SuicaやiDなどFeliCaを利用した非接触IC決済、防水・防塵(じん)仕様、eSIM対応、ステレオスピーカー内蔵(イヤフォン端子は非搭載)、別売りのUSB-C - LightningケーブルとUSB PD対応充電器による急速充電、ワイヤレス充電対応、これらの機能は両モデルとも搭載している。
次からは、気になる各機能についてより詳しく見ていこう。
マスク装着時のロック解除はiPhone SEが圧倒的に便利
iPhone SEの発売で話題になったのが、マスク装着時の指紋認証 Touch IDの便利さだ。iPhone 11をはじめとする近年のiPhoneは顔認証のFace IDを標準搭載しているが、マスク装着時は顔を認識できずパスコード入力が必要と、かなり不便な状態になっている。
マスク装着が推奨される外出時には、顔認証は使いづらい。特に、店頭でのキャッシュレス決済利用時は、iDなどの非接触IC、アプリのコード決済のどちらを利用するにせよ、ロック解除で手間がかかるのは不便だ。iPhone 11で楽にキャッシュレス決済を利用するには、認証のいらないエクスプレスカードとして登録したSuicaで支払うしかない。
実際に、筆者の手作業でロック解除からホーム画面表示までの時間を計測してみた。パスコードは6桁で、iPhone 11はパスコード入力画面への移行が早くなったiOS 13.5でテストしている。
機種 | iPhone SE(Touch ID) | iPhone 11(Face ID) |
---|---|---|
マスクなし | 0.5秒 | 0.9秒 |
マスクあり | 0.5秒 | 3.1秒 |
iPhone SEの指紋認証はホームボタンを押すと一瞬でホーム画面が表示される。一方、iPhone 11などの顔認証のモデルは、顔認識後にスライド操作をしないとホーム画面が表示されない。マスク装着時はパスコード入力が必要となり、余計に時間がかかる。
この他、iPhoneで横画面表示のアプリを操作中にロックがかかった場合、指紋認証は横持ちのまま指を触れてもロック解除できるが、顔認証はiPhoneを一度顔に対して縦に向けないとロック解除できないという違いもある。
当面この状況は続くとみられるので、次期iPhoneは多くのAndroidスマートフォンのように、顔認証と指紋認証の両対応になることを期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「iPhone SE(第2世代)」のカメラ性能はどう? 初代SEや11 Proと比較してみた
「iPhone 8」と同じボディーで登場した「iPhone SE(第2世代)」。カメラは進化しているのか。iPhone 11の時代にこのカメラはどうなのか。初代「iPhone SE」や「iPhone 11 Pro」などと比較してみた。「iPhone SE(第2世代)」は7や6sからどれだけ進化した? 使い勝手や性能を比較した
「iPhone SE(第2世代)」は、「iPhone 8」から2年半ぶりとなる、4.7型ディスプレイ搭載モデルだ。最新のiPhone11シリーズ並みの高い処理性能を実現しながらも、4万4800円からという低価格に設定されている。「iPhone 8」「iPhone 7」「iPhone 6s」「iPhone SE(第1世代)」などの旧モデルと比較してみた。新「iPhone SE」に触れて「満足した」「残念だった」ところ どんな人にオススメ?
現行モデルと比べて相対的にコンパクトながら、中身は最新モデルに近く、それでいてリーズナブルというのがiPhone SEの定義だ。間もなく発売される第2世代のiPhone SEは、それを満たした端末なのか。発売に先立ち実機を試用することができたので、そのレビューをお届けする。新「iPhone SE」は誰にオススメできる? 今使っている「端末」と「回線」から考える
iPhone SEといえば、初代の4型モデルのイメージが強く、「iPhone SE=小型のiPhone」とみる向きも多い。しかし2世代目は「iPhone 8」と全く同じサイズで4.7型ディスプレイを備えている。そんなiPhone SE(第2世代)は、誰に向けたモデルなのか。新「iPhone SE」は何が変わった? 旧SEやiPhone 8とスペックを比較する
iPhone SEといえば、iPhone 5や5sの系譜を受け継ぐ4型のコンパクトなiPhoneだが、第2世代のiPhone SEは、一回り大きい4.7型のiPhone 8をベースに設計されている。初代iPhone SEはもちろん、iPhone 8とスペックを比べつつ、iPhone SE(第2世代)の特徴を見ていきたい。