Appleの「AirTag」を使うメリット 後発だけど他のスマートタグとはどう違う?(2/3 ページ)
Appleが4月に発売したスマートタグ「AirTag」。スマートタグとしては後発の製品ではあるが、その真価はiPhoneやiPadといったApple製端末と併用したときに現れる。外部アプリではなくOS標準の機能で簡単に設定でき、万一悪意のある人に自分のものではないAirTagを紛れ込まされてしまった際の対策もされている。
家の中の探し物で本領発揮
2つ目は、「正確な場所を見つける」という機能が使えることだ。「探す」アプリ内から近くにあると思われるAirTagを探すことで、AirTagまでの距離や方向がアプリ画面に示される。Appleイベント時のキーノートでも面白いビデオで表現されていたが、まさにソファの隙間に鍵などが落ちてしまっているような場合でも、すぐに見つけ出せる。
「探す」アプリを起動し、「探す」をタップしよう。AirTagが近くにある場合には、正確な場所を見つける機能がスタートする。接続が弱い場合には「接続されました。信号が弱いです。別の場所に移動してみてください」と表示される
方向を示す矢印と、大まかな距離が表示される。階が異なる場合には、「AirTagは別の階にある可能性があります」の文字も表示された。なお、画面右下のスピーカーマークをタップするとAirTagから短いサウンドが再生される
もちろん、スマートタグにスピーカーが備わっていて、音が出せるという製品はある(AirTagにもスピーカー付いていて音も鳴らせる)。例えば、先ほど紹介した「Tile」シリーズはスピーカーを備えているので音で似たような捜索は可能だ。ただし、それこそソファの隙間に鍵があるような場合、音が聞こえたとしても、どこから鳴っているのかを判断して、それを探すのに苦労することもある(筆者もApple Watchの操作で、見失ったiPhoneから音を鳴らしつつも、結果的に家中を探し回った経験がある……)。
こうした視点から考えて、近くにAirTagがあるのかどうか、そして、音が鳴らせることに加えて、AirTagまでの方向や距離がすぐに分かるというのは、AirTagならではの優れた機能だと思う。実際に使ってみた印象として、紛失物がある建物の階が異なる可能性まで示唆してくれるのは、なかなか優秀だと感じた。
ただし、こうした「正確な場所を見つける」機能を利用できるのは、iPhone 11やiPhone 12シリーズなど、「U1」チップを搭載し、UWB(超広域無線テクノロジー)を利用できる端末に限られる。旧機種を長く使い続けている人や、iPhone SE(第2世代)を購入した人などは、すぐには同機能を利用できないので留意しておきたい。
紛失物発見者が報告しやすい
3つ目は、AirTagを装着した紛失物を発見した際に、所有者に対して連絡を取りやすいことだ。具体的には、AirTagがユーザーの手から離れて3日経過すると、AirTagが動いたときに音を鳴らして近くにいる人に居場所を知らせる機能が備わっている。また、ユーザーが「AirTagをつけたものをなくした」と思った際に、「探す」アプリからAirTagの「紛失モード」をオンにすれば、発見者に連絡先を知らせることができる。
なお、紛失モードで知らせることが可能な連絡先情報としては、iOS 14.5当初は電話番号のみだったが、iOS 14.6のアップデートで、電話番号だけでなくメールアドレスも選択できるように変わった。
AirTagからユーザーの連絡先情報を知るには、NFCタグを読み込めるスマートフォンが必要だ。該当機種のNFCリーダー部分をAirTagにかざすことで、URLが表示され、そこにアクセスすることで、AirTagのシリアルナンバーと持ち主の連絡先が表示される。なお、紛失モードをオンにしていない場合には、連絡先情報は表示されない。
もちろん発見者がAirTagの特徴を知っているという前提条件はあるものの、スマホをかざせば情報が分かるというシンプルな機能は覚えやすい。
Androidスマートフォンの「Pixel 3」を、AirTagの白い面にかざした様子。ブラウザが起動し、このAirTagについてという画面が表示され、紛失モードをオンにする際に登録しておいた連絡先情報が表示された
ただし、AirTagが着いた落とし物を拾ってしまった人の視点では、安全面を考えると、自身が使っている電話番号やメールアドレスで不用意に連絡するのは避けた方が無難だろう。まずは、落とし物として交番等や駅の窓口などに届けた上で、そこから所有者本人に連絡をしてもらうのがいいだろう
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