SIMロックを原則禁止しても課題は解決しない?/スマホをおトクに買おう!:Mobile Weekly Top10
総務省が「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」を改訂し、端末に対するSIMロックが原則として禁止されることになりました。全ての端末がアンロック(SIMロックなし)となったとしても、新たな課題が出てきそうです……。
ITmedia Mobile Weekly Access Top10
2021年7月19日〜2021年7月25日
- 「SIMロック原則禁止」が業界に与える影響 メリットばかりではない理由とは
- 最大で10万円や50%の還元――夏のPayPay祭は7月25日まで、最終週は還元率アップも
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ITmedia Mobileにおける1週間の記事アクセス数を集計し、その上位10記事を紹介する「ITmedia Mobile Weekly Top10」。今回は2021年7月19日から2021年7月25日までの1週間について集計し、まとめました。
今回のアクセス数の1位は、総務省が打ち出した「SIMロックの原則禁止」がもたらす影響と、残る課題について解説する記事でした。
この記事でも言及がある通り、2021年10月1日以降に発売される携帯電話端末は、原則としてSIMロック付きで販売できなくなります。これは、MVNOを含むキャリア間の乗り換えを活性化するための取り組みとされています。
しかし、特にAndroidスマートフォンの場合、同じメーカーの端末でも仕向け先のキャリアによって利用できる周波数帯(Band)をカスタマイズした影響で、当該キャリア以外で使うと通信パフォーマンスを発揮しきれないことがあります。
もう少し具体的に見てみると、最近のシャープ製端末は国内のキャリアが利用する主要なBandに対応しています。「AQUOS R6」はNTTドコモとソフトバンクから販売されていて、au(KDDIと沖縄セルラー電話)や楽天モバイルでは未発売ですが、NTTドコモ向けモデルもソフトバンク向けモデルもauや楽天モバイルを含む4社の主要Bandをしっかりとカバーしています。これなら、キャリアを乗り換えても端末をそのまま使えます。
一方で、ソニー(旧ソニーモバイルコミュニケーションズ)やサムスン電子の端末は、仕向け先以外のキャリアにおける主要Bandの一部をカバーしていません。そのため、先述の通り一部のキャリアでは思うように通信パフォーマンスを引き出せない可能性があります。
SNSを見てみると「キャリアが他社への転出を防ぐためにやっているのでは?」という声もありますが、シャープとソニー/サムスン電子の例を見れば分かる通り、仕向け先キャリア以外のBandに対応するかどうかは、あくまでもメーカー側の判断に委ねられています。国内外で無線機としての認証を取るのもメーカーの仕事です。
対応するBandを多くすると、発売前に行うべきテストが増えてしまいます。テストが増えるということは、コストも増えてしまいます。つまり対応Bandを増やすと、その分が端末価格に跳ね返りやすいのです。
多くのBandをカバーしているという観点ではiPhoneが思い浮かびます。iPhoneは1つのモデルにつきバリエーションが2〜4つがあり、国や地域によって売り分けていて、日本で必要な認証は日本で販売されるバリエーションのみ取得しています。コストの兼ね合いと思われますが、多くのAndroidスマホとは異なり、iPhoneはどのバリエーションも対応Bandが非常に広いことが特徴です。
国内キャリアのAndroidスマホの対応Bandを増やすには、ハードウェアはキャリア間で共通化するべきだと思います。「キャリア独占」要素は、ボディーカラー(あるいはロゴ)だけで十分なような気もします。ただ、そうなると特定、あるいは少数キャリアにのみ納入しているメーカーにとっては「規模の経済」という面で厳しいことにもなりそうです。
SIMロックの原則禁止がキャリアや端末メーカーにどういう影響を与えるのか、注目したい所です。
ランキングの3位には主要MVNOの、5位には大手キャリアの端末の価格を比較する記事が入りました。
前々回のランキングでは、「Xperia 1 III」に絞った価格比較記事がアクセス数の2位に入りましたが、最近は端末価格に関する記事がよく読まれます。ハイエンド機種はもちろん、そうでない機種でも少しでもおトクに買いたいという人が多いことです。
私はどうかというと、2021年夏モデルを7月中に買う予定だったのですが、いろいろあってタイミングを逃してしまったような気がします……。「これから買うよ!」という人は、2つの記事を参照してからご検討ください!
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