女子スマホ「Civi」を立ち上げたXiaomi “3本柱”で世界シェア1位を目指す(2/2 ページ)
Xiaomiが9月27日に中国で実施した発表会で、美顔効果などを前面に押し出した女性向けスマートフォン「Civi」を発表。世界的に使っていた「Mi」ブランドも廃止し「Xiaomi」の名前を強くアピールする。
ブランド名を統一、3本柱戦略で世界シェア1位を目指す
さて、グローバル市場を見てみると、9月から製品名の「Mi」ブランドを撤廃した。もともと中国市場では「小米」(Xiaomiの中国語名)そして「紅米」(Redmi)の2つのブランドで展開しており、「Mi」に相当するブランドはなかった。その後、中国国内では両ブランドを明確に区別するために、紅米をRedmiとあえて英語表記に変更した。グローバルでは最初からRedmiブランドで展開しており、中国国内とグローバルでブランド名を共通化したのだ。
9月には「Mi MIXシリーズ」の最新モデル「MIX 4」のグローバル発表に合わせ、Miブランドの使用を取りやめた。Miシリーズはこれまでメインラインの「Mi」、最新技術を搭載する「Mi MIX」という2つのシリーズ展開が行われていたが、これからは「Xiaomi」「Xiaomi MIX」となる。Xiaomiブランドを使う理由はXiaomiのブランド浸透力をより広げるためでもあるが、「Mi」と「Mi MIX」をよりシンプルに分かりやすいネーミングに変更する狙いもあるだろう。なお中国でもMIX 4は「小米MIX 4」ではなく「Xiaomi MIX 4」という製品名になっている。中国の「小米」、グローバルの「Mi」を、世界共通で「Xiaomi」に統一するということなのだろう。
日本でも発売予定のメインモデルの最新機種は「Xiaomi 11Tシリーズ」である。製品名にメーカー名も含まれることから、今まで以上にXiaomiの名前が日本でも浸透することだろう。またMIXシリーズの今後のモデルのグローバル展開は不明だが、2021年春に発売した折りたたみスマートフォン「Mi MIX Fold」も、「Xiaomi MIX Fold 2」として後継機が出てくるかもしれない。製品のネーミングも後者の方がより分かりやすいはずだ。
このようにXiaomiは2022年に向けて、スマートフォンラインアップのブランド統一と拡充を図った。今後Xiaomiの製品は、
- 最新技術搭載:Xiaomi MIX
- メインモデル:Xiaomi
- 女性向け:Xiaomi Civi
という3つのラインアップとなる。これはHuaweiが「P」「Mate」「nova」と3つの製品を軸に多数の製品展開を進めていった戦略にも似ている。Huaweiもnovaは女性や若い層を狙った製品であり、P/Mateでカバーできないユーザーにnovaを展開していったのだ。
また低価格シリーズのRedmiも、
- メインモデル:Redmi
- 大画面:Redmi Note
- ハイエンド:Redmi K
と同じく3つの柱で展開していくことになる。こうしてXiaomiの全製品を見てみると、隙のないラインアップに加え、製品名の区分も今までより分かりやすくなったと感じられる。
Xiaomi 11TはiPhone 13を意識したかのように、動画機能も大きくアピールしている。製品ブランドの整理は2位争いを行っているAppleを抜き去り、そしてSamsungと1位競争を行うための準備と見ることができる。2022年のXiaomiは大きな躍進が期待できそうだ。
関連記事
- Xiaomiのスマホが絶好調 世界2位、中国3位の秘密を探る
2021年第2四半期の世界のスマートフォン出荷シェアでXiaomiが初の2位に躍り出た。日本でもコスパの高い製品をSIMフリー市場のみならず通信事業者にも提供することで、ユーザーを着々と増やしている。Xiaomiにとって母国である中国市場の攻略も重要なテーマになっている。 - 「折りたたみ、ハイエンドカメラ、カジュアル」 Xiaomiが狙う「スマホ世界シェア2位」
2021年3月26日〜27日にXiaomiが中国・北京で新製品発表会を開催し、スマートフォンのフラグシップモデルやスマート家電、そしてスマートEV(電気自動車)への参入を発表した。今回の発表会での一番の目玉となる製品は折りたたみディスプレイを搭載する「Mi Mix Fold」だ。「スマートフォン市場のリーダーはXiaomi」という印象を全世界にアピールした。 - XiaomiがAppleを抜きスマホ出荷数3位に さらに上を目指すのに必要なことは?
新型コロナウイルスの影響で、スマートフォンメーカーは出荷台数を大幅にダウンさせた。中国市場で出荷台数を回復させたHuaweiがSamsungをわずかな差で抜いて初のシェア1位となった。そして迎えた第3四半期(7月〜9月)は、XiaomiがついにAppleを抜いて3位に浮上したのだ。 - Xiaomi「Mi 11 Lite 5G」は香港でも人気 Mi 10 Lite 5GやRedmi Note 10 Proとの違いは?
日本ではFeliCaを搭載するなどローカライズして登場したXiaomiの「Mi 11 Lite 5G」。筆者の居住する香港でもMi 11 Lite 5Gはバランスの取れた5Gスマートフォンとして人気です。これから5Gを使おうと思っている人に向いた製品といえます。 - Xiaomi「Mi Mix Fold」は折りたたみなのに安い? ライバル機にはない独自機能も
Xiaomiの折りたたみスマートフォン「Mi Mix Fold」は、閉じると6.52型、開くと8.01型のディスプレイを利用できます。SamsungやHuaweiの折りたたみスマートフォンよりも価格は安く設定されています。独自機能としてPCモードも搭載しています。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.