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2022年のスマホはどうなる? 2万円台と超ハイエンドの二極化、フォルダブルに普及の兆しも石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

2021年のスマートフォンは、2万円台のエントリーモデルと超ハイエンドモデルの二極化が進んだ。機能面では、カメラの高画質化が進み、動画撮影に対しても新たなアプローチが取られた。2021年に発売されたスマートフォンの動向を振り返りつつ、2022年の端末市場を展望していく。

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価格が下がり機能も向上、フォルダブルスマートフォンに普及の兆し

 2021年はフォルダブルスマートフォンもバリエーションが広がり、ユーザーの手に届きやすくなった。その理由は3つある。1つは低価格化だ。代表例は、サムスンの「Galaxy Z Flip3 5G」。米国では999ドル(約11万5790円)で発売され、ついに1000ドルを下回った。日本では残価設定型アップグレードプログラムの影響などもあり、14万円台になってしまったが、2年間で機種変更すれば、実質価格は9万円から10万程度になる。少なくとも、一般的なハイエンドモデルと横並びの価格になり、端末購入時の選択肢に上がるようになったことは間違いないだろう。

Galaxy Z Flip3 5G
サムスンのGalaxy Z Flip3 5Gは、一般的なハイエンドモデルと同レベルまで価格が引き下げられた

 もう1つは、機能面の進化だ。先に挙げたGalaxy Z Flip3 5Gと、横開きの「Galaxy Z Fold3 5G」は、いずれも防水とおサイフケータイに対応。日本市場で重視される仕様を満たしたことで、より一般のユーザーが手に取りやすくなった。Galaxy Z Fold3 5Gは「Galaxy Note」シリーズの売りだったS Penも取り込み、手書きニーズも満たした。大画面と手書きの相性はよく、Galaxy Noteからの乗り換えが期待できる。

Galaxy Z Flip3 5G
Galaxy Z Flip3 5G、Fold3 5Gの2機種とも、フォルダブルスマートフォンとしては初のおサイフケータイ対応モデルだ

 さらに、2機種とも取り扱いキャリアが増え、もともとフォルダブルスマートフォンを積極的に販売していたKDDIに加え、ドコモでの販売も始まった。これが3つ目の理由だ。こうした要素が相まって、2機種とも売れ行きはサムスンの想定を超え、発売当初は品薄状態に。結果として、キャンペーンの応募期間が延長された。Galaxy Zシリーズは海外での販売も好調で、2021年は前年比で4倍の出荷台数を記録。フォルダブルスマートフォンがスマートフォンのいち形態として定着しつつあることがうかがえる。

Galaxy
KDDIに加え、ドコモもGalaxy Zシリーズ2機種を販売。日本でも販路が大きく広がった

 サムスン以外のメーカーも、フォルダブルスマートフォンを日本に投入し始めている。2021年3月には、モトローラが縦折り型の「motorola razr 5G」を発売。大手キャリアではソフトバンクが独占的に販売した。razr 5Gはメーカーモデルもあり、MVNOなどを利用する大手キャリア以外のユーザーがフォルダブルスマートフォンを気軽に購入できるようになりつつある。

razr 5G
フィーチャーフォンで人気のあったRAZRをモチーフにしたrazr 5G。大手キャリアでは、ソフトバンクが独占的に販売する

 日本市場では現状、フォルダブルスマートフォンの選択肢がサムスンかモトローラの2択になってしまうが、海外では参入するメーカーが徐々に増えている。中国では、Xiaomiが4月に「Mi Mix Fold」を発売。12月にはOPPOが「Find N」を投入した。Find NはGalaxy Z Fold3 5Gと同じ横折り型だが、7699元(約13万9900円)とリーズナブルで、フォルダブルスマートフォンの価格競争を引き起こす可能性がある。2022年により安価なモデルが登場すれば、市場拡大のペースはさらに加速しそうだ。日本でのバリエーション拡大にも期待したい。

OPPO Find N
OPPOも満を持してフォルダブルスマートフォン市場に参入。14万円を下回る価格で、サムスンやXiaomiに価格競争を挑む
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