Snapdragon 8 Gen 1を搭載した海外の注目スマートフォンとは?:山根康宏の海外モバイル探訪記
MWC BarcelonaのQualcommブースでは、同社のプロセッサ「Snapdragon」を搭載した各社の最新モデルを展示するのが恒例となっています。MWCに合わせて新製品「Magic4」を発表したHonorの製品。XiaomiとOPPOの展示はありませんでしたが、OPPO系、ということでrealmeのGT2 ProとOnePlusの9RTが並んでいました。
毎年2月末からバルセロナで開催されるMWC Barcelona。2022年は規模をやや縮小しながらも大手メーカーが久々に出展を行いました。各社のブースはスマートフォンの気になる新製品も展示されていますが、特にQualcommブースは同社のプロセッサ「Snapdragon」を搭載した各社の最新モデルを展示するのが恒例となっています。
普段はなかなか見られない製品を一同に手に触れて試すこともできるのですが、2022年は感染対策のためか、ショーケースの中での展示となっていました。また展示機の数も例年なら20機種以上でしたが今回はやや少な目。どんなスマートフォンが展示されていたのか、写真で簡単に紹介しましょう。なお、撮影は現地取材を行ったITジャーナリストの富永彩乃氏(@ayanotdo)にお願いしました。
まずはMWCに合わせて新製品「Magic4」を発表したHonorの製品。1月に発表したばかりの折りたたみ「Magic V」と合わせて2機種が展示されていました。どちらもSnapdragon 8 Gen 1を採用。Magic4は5000万画素カメラ2つに800万画素カメラという高性能カメラフォン。上位モデル「Magic4 Pro」「Magic4 Ultra」も発売されました。
Magic Vは閉じると6.45型、開くと7.9型の画面となる折りたたみ型で、カメラは5000万画素が3つ、さらにインカメラも4200万画素とこちらも強化。HonorのMagicシリーズのカメラ性能は業界でも大きく注目されています。
モトローラは2製品が展示されていました。Snapdragon 8 Gen 1搭載の「edge 30 pro」は日本でも発売になった高性能カメラフォン。5000万画素カメラ2つ+200万画素のトリプルカメラ構成もすごいのですが、インカメラが6000万画素と高画素。最近はインカメラだからといって画質が低い、という時代ではなくなりましたね。ここまで高画質だと背景も含めた美しい自撮りができるでしょう。
もう1つの「g200 5G」はSnapdragon 888+を搭載。カメラは1億800万画素+1300万画素+2000万画素とこれも悪くない組み合わせ。日本円では5万円前後とやや買いやすい価格で海外では販売されています。
XiaomiとOPPOの展示はありませんでしたが、OPPO系、ということでrealmeのGT2 ProとOneplusの9RTが並んでいました。しかし写真を見ると画面が消えているので、製品の特徴が分かりにくいですね。やはり手に取って電源を入れてホーム画面を見ないとその製品の特徴が分からず、2023年はぜひまた公開展示にしてほしいところ。
なお、OnePlusはMWC開催時点では「OnePlus 10 Pro」が最新モデルでしたが、その時点では中国のみの発売だったため展示されていなかったようです。グローバルには3月31日に発表されました。
この写真では物足りないので、MWCで開催されたrealme発表会で展示されていた写真もここに掲載します。左と中の2台がrealme GT 2 ProでSnapdragon 8 Gen 1搭載、右はrealme GT 2でSnapdragon 888を搭載。このGT 2シリーズの特徴はINFOBARや無印良品のデザイナーで知られる深澤直人が本体をデザインしたことで、左の「Paper Green」と右の「Paper White」は同氏デザインによるバイオポリマー素材を使った、紙の質感のようなボディー仕上げになっています。
日本からは「AQUOS R6」と「Xperia PRO-I」が展示。AQUOS R6は背面を見せるように2台を表裏にして並べていました。他のモデルもぜひこのような展示をしてほしかったところ。Xperia PRO-Iの背面デザインも特徴的ですしね。
さて、Snapdragonは今やPC向けにも製品が投入されています。レノボはMWCで10機種以上のPCを発表しましたが、その中にはSnapdragon搭載モデルもありました。「ThinkPad X13s」は、ThinkPad初のSnapdragonモデルで、最新のSnapdragon 8cx Gen 3を搭載。いよいよモバイルノートもSnapdragon搭載機が増えていくのでしょうか。
また、Chromebookも新製品が登場。レノボChromebook Duet 3は2-in-1タイプの製品で、スタイラスも利用可能。CPUはSnapdragon 7c Gen 2を採用して価格を若干引き下げています。11型ディスプレイのため、単体でも持ちやすい大きさです。
レノボのPCは日本でも発売されるかもしれません。一方、こちらは日本で見ることは難しいサムスンのノートPC「Galaxy Book Go 5G」。名前の通り5G対応です。CPUはSnapdragon 8cx Gen 2と1世代前のモデル。米国ではキャリアが5Gユーザー獲得に向けビジネスモバイルノートとしても販売されているそうです。
なお、日本では東京・原宿にあるサムスンのショールーム「Galaxy Harajuku」へ行くと、サムスンブランドのノートPCがGalaxyスマートフォンとWindowsの連携デモ用に展示してあります。個人的にはそろそろ日本でもサムスンのPCを売ってほしいところです。
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