トーンモバイル、5G SA対応の「TONE e22」を約2万円で発売 5G時代の無料試験サービスも(2/2 ページ)
トーンモバイル向けの新型スマートフォン「TONE e22」が6月1日から発売される。トーンモバイルのスマートフォンとして初めて5Gに対応した。5G時代の新しいスマートフォンの活用法を検証する実験型サービス「TONE Labo」を無料で提供する。
TONE e22は5Gに対応しているとはいえ、MNOから帯域を借りて通信サービスを提供する形態では、混雑する時間帯で5Gのスピードをフルに発揮することは難しい。そこで、トーンモバイルでは「高速」よりも「低遅延」に重きを置いたサービスの提供を目指す。具体的には、5G時代の新しいスマートフォンの活用法を検証する実験型サービス「TONE Labo」を無料で提供する。
その第1弾として、オンライン健康サービスの「TONE Care」、ブロックチェーンを活用したポイントシステム「TONE Coin」、アンチフィルターバブル環境「free pass」を提供する。
TONE Careでは、スマホ依存や健康管理についての相談をオンラインで受けられる。ネットと現実が逆転する「メタバース」は、ゲームよりも依存度が高いと言われていることから、依存症治療に携わってきた神戸大学の曽良一郎教授監修の元、ゲームやスマホ依存の相談が行える。他に、コロナ禍の体調相談や高齢者の健康相談などにも担当医師がオンラインで応じる。医師は曽良氏を含む5人体制で、1コマ15分から30分の単位で相談ができる。いずれも無料だ。TONE Careでは、健康管理機能「ライフログ」や、TONEファミリーのアプリ利用時間などのデータとも連携しており、より実態に即した相談が可能となっている。
TONE Coinは、充電中に「TONE Coin」アプリを起動して電源、CPU、ストレージなどの余剰リソースを提供し、マイニングに成功するとTONE Coinがたまる仕組み。バックエンドサーバを持たない分散型プログラム実行環境「Solidity Runtime」にて動作する。獲得したTONE Coinは2022年夏〜秋をめどにトーンモバイルの月額料金の支払いに利用可能になる予定。なお、TONE Coinは充電中以外でもアプリを動作可能だが、その際に1時間あたり3%ほどのバッテリーを消費する。
free passに登録すると、アンチフィルターバブルの機能が利用可能になる。検索や広告などで自分の興味のある情報しか見えなくなる「フィルターバブル」環境では、異なる視点の情報が見られず、価値観の偏りを引き起こすことが懸念される。こうした環境をなくそうとする動きがアンチフィルターバブルであり、ユーザー同意のもと、ユーザー情報や閲覧サイト情報などをfree passに預けることでデータ管理や分析を行い、新たな気付きや学びを与えられる情報を提供するという。
TONE e22のユーザーは、これらTONE Laboのサービスを無料で利用できる。なお、技術的にはTONE e21でもTONE Laboは利用できるが、まずはTONE e22のみでサービスを展開する。TONE Laboの提供期間は未定で、今後も新たな試験サービスが追加されていく見通し。
フリービットの石田宏樹社長はトーンモバイルの5Gについて「5Gで生まれるライフスタイルのショールームを展開する。4Gの延長線上ではなく、5Gから逆算した形でどういうライフスタイルが出てくるか(が重要)。5Gをみんなのものにしていくことを考えている」と意気込みを語った。
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