iPhone 13 ProとPixel 6 Pro、どちらが“旅カメラ”に向いている? 宮古島で撮影してきた(3/3 ページ)
近年のスマホカメラの進化はめざましく、シーンによってはフルサイズ一眼カメラに劣らない写真が撮れる。その実力を試すべく、「iPhone 13 Pro」と「Google Pixel 6 Pro」で得意/不得意を確かめてみた。
望遠とモーションフォトが楽しいPixel
Pixelの強みはiPhoneよりも強い望遠です。iPhone 13 Proの望遠カメラは光学3倍ですが、ペリスコープ式のPixel 6 Proの望遠カメラは光学4倍、遠くのものをより大きく撮影することができます。
1倍の差は風景写真ではあまり問題にはなりませんが、野鳥や蝶々などの近づいたら逃げてしまうような小さな被写体では結構違ってきます。
注意すべき点は背景ボケ。Pixel 6 Proの望遠カメラはプリズムを使ったペリスコープ式なので、背景ボケが丸ではなく四角になります。意図せずに使うと背景がざわつきがちですが、これを“味”と捉えるのもいいでしょう。
また、Pixelの独自機能としてはPixel 6シリーズから新たに追加されたモーションモードが非常に面白いです。モーションモードは短時間の間に何枚か写真を撮ることで疑似的に長時間露光や流し撮りの効果を出す機能です。一眼カメラでは三脚やNDフィルターが必要な長時間露光撮影も、ワンタップで実現できるのはPixelのいいところです。
今回はじめて一眼カメラをお留守番にしてスマホカメラだけで旅に出てみましたが、旅の記録やSNSでシェアするには十分いい写真を撮ることができました。特に最新スマホの上位機種は実用レベルの望遠カメラやPixelのモーションモードといった面白い機能があり、アイデア次第でさまざまな写真を撮ることができます。さらには、スマホカメラは一眼カメラと比べて軽量コンパクトであるだけでなく、ソフトウェアを活用した機能やそのままSNSでシェアできるといった強みもあります。
私は「スマホカメラの進化で一眼カメラが必要なくなる」という意見には否定的でしたが、今回の撮影であながち間違いではないと感じました。とはいえ、超望遠域やボケの処理、AF速度と精度などまだまだ改善すべき点はあるので、これからのスマホカメラの進化が楽しみです。
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