「GPS」は何の略? どんな仕組みで場所を測定している?:モバイルIT用語辞典
スマホの地図アプリやカーナビなど、地図を使うアプリや電子機器に必要な「GPS」という機能。どういった仕組みで自分の場所を特定しているのだろうか。
スマホの地図アプリや車両に搭載するカーナビなど、地図を使うアプリや電子機器に欠かせない「GPS」(Global Positioning System)。これは厳密には米軍が1989年に初めて実用機を打ち上げ、その後民生利用へ無償で開放された衛星による測位システムのことを指している。2022年現在、高度約2万kmの衛星軌道を周回する測位衛星は31機となっている。
ユーザーの場所を特定するには最低3機の衛星が必要で、実際には4機を利用している。これに加えて受信用の端末が必要となる。それぞれの衛星から同時に発信された信号を受信することで、発信から受信までの時間と信号の速度、衛星と受信機間の距離を測定し、複数の距離情報を用いて、それらの交わる点として受信機の位置を算出している。
米国が開発するGPSの他には、ロシアの「GLONASS」、欧州委員会の「Galileo」、中国の「BeiDou」を合わせてグローバル軌道衛星群(Global Navigation Satellite System)と呼んでいる。日本においても準天頂衛星システム「みちびき」を運用しており、2022年時点で4機、2023年には7機体制での運用を目指している。
またGPSの観測を補強するための「補強衛星群」(SBAS)として、米国「WAAS」、EU「EGNOS」、日本「MSAS」、インド「GAGAN」の4種、特定地域の側位に利用される「地域広報衛星システム」(RNSS)として日本の「QZSS」、インドの「IRNSS」が存在する。これらを利用することで、より正確な位置情報の把握が可能になる。
関連記事
- 「USB PD」の「PD」って何の略? USB Type-Cとの関係は?
USB Type-C端子を備えるスマホの急速充電に必要とされている「USB PD」の規格。5/9/15/20Vの電圧に最大3Aまたは20Vの場合で最大5Aの電流を組み合わせて給電する。 - 「SDメモリカード」の「SD」ってどういう意味?
2022年現在では「microSD」が主流の「SDメモリカード」。スマホだけでなくデジカメやPCのストレージとしても有用だが、この「SD」はどういう意味なのか。SDメモリカードの規格はどこから生まれたのか。 - スマホの防水・防塵を示す「IPXX」とは? どれだけスマホを守ってくれる?
スマホの防水/防塵機能として示される「IP68」などの「IP」というコード。これはどんな意味があり、どれだけスマホを守ってくれるのか。大まかな仕様の読み方と一般的な規格における機能を紹介する。 - スマホをかざして手軽に通信「NFC」はどんな規格?
「おサイフケータイ」や「Suica」などのICカードの通信規格を含んだ「NFC」という仕組み。さまざまな規格をまとめた国際標準規格で、ソニーが開発した「FeliCa」もこの規格に含まれている。 - スマホで簡単に決済できる「FeliCa」の意味は? どこが開発した?
スマホにも搭載され、交通系ICカードやおサイフケータイとして長く親しまれている「FeliCa」。知っている人は多いかもしれないが、日本企業の開発した技術だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.