Google、アプリを複数端末で横断利用する「Cross device SDK for Android」プレビュー版リリース
Googleは「Cross device SDK for Android」の開発者プレビュー版をリリースした。アプリの操作を近くの別の端末に転送したり、共有したりできるようにするためのツールだ。将来的にはWindowsやiOSもサポートする計画としている。
米Googleは8月26日(現地時間)、複数の端末間でアプリを横断利用できるようにする開発者向けキット「Cross device SDK for Android」のプレビュー版を発表した。まずはAndroid搭載のスマートフォンやタブレット間での横断操作を可能にするもので、将来的にはChrome OSはもちろん、WindowsやiOS、テレビや自動車もサポートする計画という。
開発者はこのSDKで、近くの端末の検出、端末間での安全な接続、複数端末でのアプリ体験の転送あるいは拡張を可能にできる。
例えば、外出中にスマートフォンで読んでいた電子書籍の続きをそのままタブレットで開いて読んだり(アプリ体験の転送)、ドライブ中に後部座席の人が自分のスマートフォンで見つけた目的地へのルートを(対応する)カーナビと共有したり、自宅でのパーティでフードデリバリーを発注する際、同じアプリをメンバー全員のスマートフォンで表示し、各人が好きなものを注文したり(アプリ体験の拡張)といったことが可能になる。
Android端末とChrome OS端末では既に「ニアバイシェア」という機能でBluetoothかWi-Fi経由でファイルを共有できるようになっている。Cross device SDK for Androidはその延長線上にある操作を可能にするもののようだ。
SDKは専用サイトで入手できる。また、Google I/O 2022で開催された「マルチデバイス開発セッション」の動画を以下に転載しておく。
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