Galaxy Z Fold4は買いか? Z Fold3ユーザーが感じた“見た目では分からない進化”(2/2 ページ)
筆者はGalaxy Z Fold3ユーザーだ。新モデル「Galaxy Z Fold4」にはどんな魅力があるのか。実機で確かめてみた。
ベンチマークのスコアは向上も、パフォーマンスの体感はほぼ変わらず
Snapdragon 888搭載のGalaxy Z Fold3に対し、Galaxy Z Fold4はQualcommの最上位プロセッサとなるSnapdragon 8+ Gen 1を搭載。プロセッサに統合されたNPU(機械学習プロセッサ)の性能が約1.7倍になった。
Galaxy Z Fold4とGalaxy Z Fold3の性能差をGeekbenchで確かめた。Galaxy Z Fold4はシングルコアで1300台、マルチコアでも3900台に近い結果となり、性能がGalaxy Z Fold3の888 5Gから確実にアップしていることが見て取れる。一方で、数値ほどの体感差はなかった。Webブラウジング、マップ、写真の閲覧、動画視聴などで分かりやすくかくつきがでるなど、レスポンスに差が出ることもなかった。
メモリはどちらも12GBとなっているが、ストレージはGalaxy Z Fold3が256GB/512GB、グローバル版のGalaxy Z Fold4では1TB(Samsung.com限定)も選べる。ストレージを拡張できるmicroSDスロットは搭載していないので、容量が足りない場合はクラウドサービスを活用したい。スペックで分かる細かい違いは過去の記事を参照してほしい。
先代にはないeSIMにようやく対応
Galaxy Z Fold3にはなかった特徴として、Android 12Lの他にeSIMが挙げられる。Galaxy Z Fold4では物理SIMに加え、eSIMに対応する。例えば、NTTドコモの物理SIMをメインの回線に、povoや楽天モバイルのeSIMをサブの回線にしておくと、仕事をメイン回線、プライベートをサブ回線というように、用途に応じて電話番号の使い分けが可能になる。これはかなり魅力的だ。
しかも、昨今の頻繁な通信障害を踏まえ、転ばぬ先の杖として複数回線を契約し、Galaxy Z Fold4で使うこともできる。Pixel 4、iPhone XS以降で既に使いこなしている人にとっては当たり前かもしれないが、国内のハイエンドGalaxyとしてはようやくeSIMに対応した格好だ。
ただし、2つの注意点がある。1つは、例えば物理SIMで音声通話、eSIMでデータという使い分けはできるが、物理SIMとeSIMでこれらを同時に行えないことだ。これはGalaxy固有ではなく、DSDVの問題になるので、他のDSDV対応スマホにもいえることだ。
もう1つは、物理とeSIMのデュアルなので、2回線とも物理もしくはeSIMにしておくと、後でどちらかを物理かeSIMに変更する手間が生じる点だ。デュアルSIM端末を使っていた人は2枚の物理SIMをそのまま使い回せないので注意しよう。
先代との価格差は約1万2000円 それでも中身は大きく進化
日本市場向けに投入されたGalaxy Z Fold4の価格はドコモオンラインショップが24万9700円、auオンラインショップが24万9960円となる。
Galaxy Z Fold3の国内発表時に案内されていた価格はドコモ版が23万7600円、au版が23万7565円となっていたので、それから約1年後に登場したGalaxy Z Fold4は先代からドコモ版が約1万2100円、au版が1万2395円高くなったことになる。
それでも見た目はほぼそのままで、中身がブラッシュアップしたGalaxy Z Fold4は買いといえる。確かに、20万円を超える高額な商品であることには変わりないが、値下げされた先代を今から買うよりも、Galaxy Z Fold4を今買っておいた方が損はないだろう。来年のどのタイミングか、あるいは新型が出るのか、についてははっきりとしたことはいえないが、次期モデルに対してはデザインのチェンジ(ぱっと見で分かる違い)に期待したい。
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