徹底解説 「タッチ決済」をAndroidスマホやWear OSスマートウォッチで使う方法(1/2 ページ)
最近よく耳にする「タッチ決済」。コンビニエンスストアを中心に使える場所も増えていますが、どうやって使い始めればいいのでしょうか。AndroidスマートフォンやWear OSスマートウォッチの場合の使い方や注意点を紹介します。
最近、クレジットカード、デビットカードやプリペイドカードにおいて「タッチ決済(EMVコンタクトレス決済)」を推す動きが盛んです。リアルカードでも、タッチ決済を示す「波状アイコン(リップルマーク)」を備えるものが増えてきました。
このタッチ決済は、Androidスマートフォン/Wear OS搭載スマートウォッチでも利用できます。どうすればいいのでしょうか……?
Androidスマホ/Wear OSスマートウォッチで使うには?
AndroidスマホやWear OS対応スマートウォッチでは、原則として「Google Pay」を通してタッチ決済を利用できます。ただし、全ての機種で使えるわけではありません。
スマートフォン
Androidスマートフォンの場合、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 「Android 5.0」以降のAndroid OSをインストールしていること
- 「Google Payアプリ」をインストールしていること
- NFC(Near Field Communication)に対応していること
- NFCにおいて「HCE(Host Card Emulation)」を利用できること
上記の要件を満たしていれば、「おサイフケータイ」(モバイルFeliCa)を搭載していなくてもタッチ決済を利用可能です。逆に、おサイフケータイに対応するモデルでも、HCE対応のNFC通信機能を搭載していない場合は利用できません。
HCE対応のNFC通信機能を備えている機種では、端末設定の「NFC」(※1)に「非接触型決済」という項目が用意されています。探してみてください。
(※1)おサイフケータイ対応機種の場合、おサイフケータイの設定と一体化して「NFC/おサイフケータイ」という名称になっている場合があります
スマートウォッチ
Wear OSスマートウォッチの場合、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 「Wear OS 2.0」以降のWear OSをインストールしていること
- Wear OS用のGoogle Payアプリをインストールしていること(※2)
- ペアリング相手のスマホに「Wear OSアプリ」をインストールしてあること(※3)
- NFC(Near Field Communication)に対応していること
- NFCにおいて「HCE(Host Card Emulation)」を利用できること
(※2)ペアリング相手のスマホにGoogle Payアプリをインストールしてある場合は、Wear OSの「Google Playアプリ」にある「スマートフォン上のアプリ」コーナーから簡単にインストールできます
(※3)Wear OS 3.0以降を搭載するスマートウォッチでは、Wear OSアプリの代わりにスマートウォッチ固有のコンパニオンアプリ(Pixel Watchアプリ、Galaxy Gearアプリなど)をインストールしてください(詳細は各モデルのWebサイトなどで確認できます)
もっとも、最近のおサイフケータイはHCE対応のNFC通信機能を備えています。これから新品のおサイフケータイ対応のAndroidスマホを買うなら、あまり意識せずとも問題ありません。
一方で、Wear OSスマートウォッチの場合は、Google Payを利用できるかどうかをしっかりと確認することをお勧めします。対応しているモデルでも、端末ソフトウェアを更新するか、別途「Googleウォレット(Google Pay)アプリ」をインストールしないと利用できないこともあります。詳細はメーカーのWebサイトを参照するか、サポートに問い合わせてみてください。
Google Payを介したタッチ決済を利用できるWear OSスマートウォッチでは、「Googleウォレット(Google Pay)アプリ」を導入可能です(一部のモデルではプリインストールされています)
どんなカードで使える?
AndroidスマホやWear OSスマートウォッチでタッチ決済を使うには、原則としてGoogle Payにひも付けたカードをタッチ決済用にセットアップする必要があります。ただし、全てのカードが対応しているわけではなく、以下の会社が発行するカードのみ対応します。
なお、★印が付いている会社については、タッチ決済のセットアップをする際にカード会社のアプリも必要です(Wear OSスマートウォッチでは利用できません)。
- Visaクレジットカード
- エポスカード
- 三井住友カード★
- Visaデビットカード/プリペイドカード
- 関西みらい銀行
- LINE Pay★
- 三菱UFJ銀行
- PayPay銀行
- 三井住友カード(※3)★
- Revolut(※4)
- 埼玉りそな銀行
- ソニー銀行
- 北國銀行
- 千葉銀行
- Mastercardデビット
- 住信SBIネット銀行
(※3)Visaプリペイドカードのみ(一部対象外カードあり)
(※4)リアルカードを発行している場合のみ(バーチャルカードだけを使っている場合は非対応)
上記の会社が発行する対応ブランドのカードであれば、元のカードがタッチ決済に対応していなくてもGoogle Payを介してタッチ決済を利用できます。
3月20日現在、Google PayではJCBやAmerican Expressのタッチ決済は利用できません。また、Mastercardブランドでもクレジットカードやデビットカードはタッチ決済に対応できていません。
楽天カードは「楽天ペイアプリ」で対応(Visa/Mastercardブランドのみ)
楽天カードが発行するクレジットカードは、Google Payに登録すると「QUICPay」と「QUICPay+」を利用できます。QUICPay(+)はFeliCaを利用する決済サービスなので、おサイフケータイ対応のAndroidスマホが必要です。
一方で、楽天カードのクレジットカードのうち、VisaブランドとMastercardブランドのものは「楽天ペイアプリ」を介してVisa/Mastercardのタッチ決済も利用できます。
今回は、楽天カード(Visa/Mastrcard)におけるタッチ決済のセットアップ手順の解説は割愛します。
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