データで振り返る“スマホシェア”の5年間、Google躍進で国内メーカーに衝撃(1/4 ページ)
スマートフォンの出荷台数データを参照しながら、5年間を振り返る。Apple一強はますます強まる中、2023年にはPixelの躍進という大きな変化が生じた。
調査会社IDCの市場調査データを元に5G前夜の2019年から2023年までの国内スマホ市場の動きを振り返る。Apple一強の市場動向はますます支配的になり、2023年には国内メーカーの退潮とGoogleの台頭が鮮明になった。
不動のApple、日本メーカーの苦戦
5G前夜の2019年からの5年で変わらないのは、Appleが依然として不動の位置を占めていることだ。スマートフォン出荷台数シェアの半数以上を占める日本での影響力は減るどころか、むしろ高まる傾向にある。総出荷数におけるAppleのシェアは2019年には46.2%を占めていたが、2022年には52%となっている。
一方で、日本メーカーの勢いの弱さも気になるところだ。低価格帯スマホを主力としていた京セラは2023年に、個人向け携帯電話事業の撤退を表明。FCNTは経営破綻した。
AppleやSamsungなどのグローバルメーカーに対して、販売規模が小さい日本のスマホメーカーはチップ調達などで不利な立場になる。この解決策の1つは、グローバルメーカーの傘下に入ることだ。シャープは2016年に台湾の鴻海精密工業に買収された。2023年に経営破綻したFCNTは、スマホ設計・出荷部門を中国Lenovoが買収。Lenovoの製造リソースを活用して事業再建を進めている。
この流れから外れているように見えるのが、Xperiaを擁するソニーだ。2020年、2021年、2023年にはシェア6位に甘んじている。2019年以降、高価格帯のXperia 1シリーズを中心にラインアップを刷新したものの、出荷台数ベースでは伸び悩んでいる。今夏発売の「Xperia 1 VI」や「Xperia 10 VI」が巻き返しの一手になるか、注目だ。
Pixelが新たな「台風の目」となるか
中国メーカーは2019年にOPPO、2021年にXiaomiが日本市場に参入している。両社とも大手キャリアへの取り扱いを進めて浸透しつつあるが、出荷台数ベースのランキングでは上位に入らず、大きな影響力は持てていない状況だ。
一方でPixel シリーズを展開するGoogleは、日本市場への勢いを増している。2020年にはソフトバンクがPixelの販売を積極的に後押しをしていたが、2023年にはNTTドコモが取り扱い、3キャリアが取り扱うスマホとなった。IDCのデータでは2023年に3位にランクインしており、日本市場の変化を象徴づける機種となった。
次ページからは、2019年からの5Gスマホのメーカー別シェアの推移を、象徴的な動きとともに振り返る。
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