「Xperia 1 VI」が大きな変貌を遂げたワケ 実機に触れて感じた「進化」と「足りないところ」(3/3 ページ)
ソニーは5月17日、スマートフォンのハイエンドモデル「Xperia 1 VI(マーク6)」と、ミッドレンジモデル「Xperia 10 VI(マーク6)」の実機を報道関係者に披露。カメラ、ディスプレイ、オーディオのデモンストレーションを行った。Xperia 1 VIの光学7倍ズームや、ディスプレイのアスペクト比など、実機に触れて分かったことをまとめる。
音質もUIもブラッシュアップしたXperia 1 VIのオーディオ
オーディオもソニーが得意とする分野で、こだわり続けるポイントでもある。Xperia 1 VIでもステレオ感のあるサウンドとなるよう、LとRのどちらもユーザーに向く、フルステージステレオスピーカーを採用している。
フルステージステレオスピーカーに関するXperia 1 Vからの進化点は、新しいスピーカーユニットを搭載したことで、低音域が聞き取りやすくなったことに加え、大きな振動に伴う音のひずみを低減し、よりクリアに聞こえるようになったことだ。数分ではあるが、実際にXperia 1 VIとXperia 1 Vのスピーカーから出る音を聞き比べると、1 Vよりも1 VIの方が低音域が増した他、音場が広く、よりクリアに聞こえる。
合わせて、有線ヘッドフォン/イヤフォンでの音質向上も図られている。仕組みとしては「Audio IC」から出た信号がオーディオジャックを経由し、有線ヘッドフォン/イヤフォンへ伝わるが、基板回路設計を改善したことで、信号が送られる課程で起こる、左右の音声信号の干渉を低減した他、イヤフォンで聴いたときに分かる空間や低音域の再現性が向上したという。
映像も音も満足できるように設計されているのがXperiaだが、3.5mmイヤフォンジャックをいまだに搭載し続けているのもXperiaの良さだ。同時期に発表されたハイエンドスマートフォンを見ると、「Galaxy S24」「Galaxy S24 Ultra」「AQUOS R9」「Xiaomi 14 Ultra」などはイヤフォンジャックを搭載していない。
音楽/動画再生時の音質の設定項目も見やすくなった。音をイメージできるイラストに加え、1つのアクションで音楽と動画、それぞれに適した「音質重視」「立体音響」などのエフェクトをかけられるようになった。
Wi-FiやBluetoothの切り替えが可能なクイック設定パネルの下に位置するダッシュボードでは、適用しているサウンドエフェクトを確認、変更できるようになり、サウンドエフェクトを切り替える度に設定アプリを開かずに済む。
Xperia 1 VIに触れて感じた、Xperiaに足りないもの
Xperia 1 VIは「トータル性能が上がっており、(カメラ、ディスプレイ、オーディオを含む)全体のパッケージとして、お客さまにより良い体験価値を届けたい」(プロダクトデザイナー 八木氏)という思いで、設計されているようだ。
一方、Xperia 1 VIに触れて感じたのは、コンテンツの少なさだ。全面いっぱいに表示できる、いわゆるフル画面表示はYouTubeで確認できたが、拡大により四隅は見切れてしまう。多くのコンテンツは4:3や16:9なので、21:9から変わったとはいえ余白(黒色の帯)が出てしまう。実現は難しいだろうが、19.5:9のアスペクト比をフルに生かせるコンテンツが欲しいところだ。
Xperia 1 VIのディスプレイやオーディオの技術を生かせるコンテンツが増えなければ、宝の持ち腐れになるはずだ。例えば、ソニー・ピクチャーズが制作した映画やテレビ番組、あるいは新たなサブスクリプションサービスと、Xperiaのセット売りがあると、分かりやすいと感じた。
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