OPPOが全スマホにAIを搭載していく理由、「全機種におサイフケータイ」の議論も オウガ・ジャパンに聞く(3/3 ページ)
OPPOのスマホやタブレットなどを日本で展開するオウガ・ジャパンは、最新モデルの「OPPO Reno13 A」と「OPPO Reno14 5G」を投入している。これら2機種にはクラウドベースの「OPPO AI」を搭載しており、ミッドレンジモデルのReno13 Aでも、かなりの数の機能を利用できるのが特徴だ。最新モデルの特徴やAI機能の方針について聞いた。
折りたたみスマホは修理体制を拡充させなければ日本では難しい
―― 今後は、ハイエンドにもOPPO AIを搭載していくことになると思いますが、今年もFindシリーズは投入されるのでしょうか。折りたたみスマホにも注目が集まっていると思います。
河野氏 まずFindの話をすると、昨年11月にFind X8を発表しましたが、これはいい意味で期待を裏切られた端末だったと思っています。販売店で売り切れが続いたこともあり、現場からは「こんなに売れるとは思わなかった」という意見が多く出ました。その意味で、昨年の投入は大成功だったと思っています。フラグシップスマホに対する日本のユーザーの期待が高く、なおかつそれが完売という形になりました。
そういったことがあったので、通信事業者からも、「だったらうちもやってみよう」「一緒に出しませんか」とお声をいただいています。次のバージョンがX9になるのかX10になるのかはまだ分かりませんが、今後とも継続的に販売していければいいと思っています。
続いて折りたたみですが、常々申し上げているように、折りたたみは修理前提のスマホということです。特にヒンジ部分のフィルムは紫外線の影響も受けますし、想定していないような使い方をされることもあります。ですから、修理体制を拡充させなければ、日本投入は難しい。自分自身も今「OPPO Find N5」を使っていますが、これは1つの実証実験です。
実際にユーザーとして体験してみて、そのフィードバックを社内に戻せればいいという考えです。京セラの稲森さん(故・稲森和夫氏)が日本航空を再建するときにも言っていたことですが、「お客さまが使っている現場が大事」です。まずユーザーとして使ってみて、日本のユーザーにフィットするかどうかを検証しなければならない。なおかつおサイフケータイはいるのか、キャリアと組むべきかなど、いろいろなことを考える必要があります。こういったことを多角的に見ながら、どうしようかを検討しています。
取材を終えて:AIによる差別化に成功、ローカライズ強化にも期待
Reno13 Aのようなミッドレンジモデルで、ここまで生成AIを取り込んだ端末は珍しい。コストの制約も厳しく、スペックとして横並びになりがちな価格帯の端末だけに、AIによる差別化は成功していることがうかがえた。インタビューからは、この分野に対する投資を惜しまないOPPOの姿勢も垣間見えた。
逆に、おサイフケータイなどのローカライズがされていないReno14 5Gの投入がやや唐突に思えたが、過去モデルからの乗り換えニーズを踏まえているとのこと。以前のFindシリーズを購入したユーザーを、主なターゲットにしているようだ。この点は、ハイエンドからの乗り換えを意識している他社とも共通している。
ただ、オウガ・ジャパンとしては、今後、可能な限りローカライズはしていきたいこともうかがえた。投入時期やコストといった超えなければならないハードルはあるものの、利便性が高まるのも事実。ハイエンドモデルの継続投入も含め、今後の展開に期待したい。
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