Google Pixel 10心臓部は「10セント硬貨より小さい」──Tensor G5の性能詳細は?
Googleは独自開発のモバイルプロセッサ「Google Tensor G5」の強みを改めてアピールした。Googleが長年掲げてきた「AIファースト」という設計思想の集大成ともいえるこのプロセッサは、最新スマートフォン「Google Pixel 10」シリーズに搭載され、AI機能の処理性能を飛躍的に向上させる。同社はこれを「AIイノベーションの新たな一歩」と位置付け、Pixelをさらに賢く、便利にする「AIスマホ」としての地位を確立する構えだ。
Googleは独自開発のモバイルプロセッサ「Google Tensor G5」の強みを改めてアピールした。Googleが長年掲げてきた「AIファースト」という設計思想の集大成ともいえるこのプロセッサは、最新スマートフォン「Google Pixel 10」シリーズに搭載され、AI機能の処理性能を飛躍的に向上させる。同社はこれを「AIイノベーションの新たな一歩」と位置付け、Pixelをさらに賢く、便利にする「AIスマホ」としての地位を確立する構えだ。
Google Pixel 10の心臓部Google Tensor G5の特徴は5つ
新しいGoogle Tensor G5の特徴は5つに整理される。
まず1つ目は、Google Tensor G5は過去最大のアップグレードで、大幅な性能向上を実現している点だ。TPUは最大60%、CPUは平均34%高速化し、Webブラウジングや最新のAI機能など、日常的な使用におけるGoogle Pixelの応答性が向上した。Google Tensor G5はTSMCの最先端3ナノメートルプロセスノードで設計されており、この製造技術により、より多くのトランジスタをチップに集積し、強力で効率的なチップを可能にしている。また、新しいセキュリティハードウェアを備え、製造からユーザーの手元に届くまで、端末のライフサイクル全体を通じてGoogle Pixelを強力に保護する。
2つ目は、オンデバイスAIがより速く効率的になった点だ。AI開発を手掛けるGoogle DeepMindとの密接なパートナーシップにより、Google Tensor G5は最新のGemini Nanoモデルを搭載する初のチップとなり、発表時から多くの完全オンデバイスな生成AI機能を提供する。高品質のモデルを実行するだけでなく、過去の世代よりも高速かつ効率的に動作する。Tensor G5の性能向上とモデルの最適化により、Pixelスクリーンショットやレコーダーなどの機能におけるGemini Nanoの処理速度は2.6倍、効率性は2倍に向上した。
3つ目は、新たなプロアクティブ機能だ。Google Tensor G5により、マジックサジェスト、マイボイス通訳、ジャーナルといったGoogle Pixel独自の機能を全てオンデバイスで提供できるようになった。
4つ目はカメラの進化。Google Pixel 10 ProはTensor G5に搭載された新しい画像処理プロセッサ(ISP)を搭載し、写真撮影に最適なスマートフォンとなった。このISPは、低照度環境での手ブレ補正や、1080pおよび4K30pでの標準10ビット動画をサポートし、常に高品質な動画撮影を可能にする。さらに改良されたリアルトーン機能により、一人一人の肌の色を自然かつ美しく再現できるようになった。
画像と動画の品質向上に加え、Tensor G5は「一緒に写る」や「オートベストテイク」などのカメラ機能を強化している。超解像ズームProという機能は過去最大のモデルを実行し、最大100倍のズームを可能にして細部まで鮮明に捉える。Pixel 10のカメラアプリにはC2PA Content Credentialsが初めて組み込まれ、プロセス全体がTensor G5とTitan M2セキュリティチップ上でオンデバイス処理される。これにより、画像の全履歴を記録する安全なメタデータが画像内に作成され、C2PAが定義する最高レベルのセキュリティ評価を達成している。
Pixel 10のカメラアプリにはC2PA Content Credentialsが初めて組み込まれ、プロセス全体がTensor G5とTitan M2セキュリティチップ上でオンデバイス処理される。画像はGoogle Pixel 10 Pro XLの実機
最後の5つ目は、バッテリー性能だ。これら全ての新機能を備えながら、Google Pixel 10シリーズのスマートフォンは30時間以上のバッテリー駆動時間を実現している。朝に起きてから夜寝る時間を過ぎても十分に使える電力を確保しているそうだ。
Tensor G5は、複雑な機能が詰め込みつつも、硬貨より小型に
Google Tensor Group Product ManagerのJesse Seed(ジェシー・シード)氏は、Tensor G5が米国の10セント硬貨「ダイム」よりも小さいとアピールする。この小さなチップの中に複雑な機能が詰め込まれていることに触れ、「AIがモバイル体験のあらゆる側面にシームレスに統合される未来に向けて、Googleは引き続き努力を続けていく。Tensor G5は、私たちGoogleの道のりの重要なマイルストーンだ」と述べている。
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