LINEに謎アイコン「Agent i」が出現 実はこれが“あなた専属秘書” 毎日をどう豊かにする?(2/2 ページ)
LINEヤフーが4月20日に提供を開始したAIエージェントの新ブランドについて解説する。本サービスは日常生活に寄り添う直感的な操作性が特徴である。開発の背景にある生成AIの普及課題から、複数のジャンルに特化した機能の詳細、そして一般ユーザーからビジネス層までを視野に入れた今後の展開までを詳しく紹介する。
開発の背景:すさまじいスピードで発展を遂げる生成AIに課題
慎ジュンホCPO(最高製品責任者)は、このようなサービスが生まれた背景を次のように語る。「生成AIは近年すさまじいスピードで発展を遂げており、開発分野などにおいて大きな成果を出している。しかし、日常生活における利用率はわずか1割から2割にとどまっており、圧倒的な性能を持つ技術が日常の生活に寄り添うツールとして活用されていない」という。
慎氏はこの現状に対し、なぜ優れた結果を出している技術が「実際のユーザーの日常生活に寄り添っていないのか」という疑問を抱いたそうだ。毎日のそばにいて誰でも使えるエージェントを作ることが自社の使命であると認識した。1億人の顧客接点や100以上のサービス群、数多くの企業アカウントとの連携という自社の強みを生かし、新しい習慣を身につける負担を減らす。
ユーザーの意思決定を支援するタスク代行機能も
同社は本サービスの実行力を高める機能拡張を予定している。6月頃には、複雑なタスクを代行する機能を実装する。ユーザーに寄り添う存在として、単なる予約や商品の購入にとどまらず、購入後のアフターフォローまでを含めた一連のタスク実行を一貫して支援する。さらに、ユーザーの利用状況に応じて最適化された回答を行うメモリ機能も実装する予定だ。
既存サービスへの機能追加も積極的に進める。気になる商品と比較ポイントを指定するだけで膨大な商品の中から比較検討を実行する機能や、参加者への打診から候補日の確定までをカレンダー情報を参照しながら自動でサポートする日程調整機能を追加する。2026年上期中には、これらの領域エージェントを20領域以上に拡大し、既存のサービス全体を進化させる。
Yahoo! JAPANとLINEの双方が「エージェンティック」に進化する姿を描く。検索や通知の高度化、お買い物メモとの連携に加え、LINEでは友だちとの会話を分析するムードを分析やサービスチャットなどが登場。既存の機能がAIとの対話を通じて、よりパーソナライズされた体験へとアップデートされる
2026年上期中に20領域以上のエージェント展開を目指すロードマップ。お買い物やお出かけなどのリリース済み領域に加え、現在はヘルスケア、航空券手配、推し活といった多様なジャンルを開発中だ。ユーザーのあらゆる生活シーンをカバーすべく、段階的に対応カテゴリーを拡張していく方針が示されている
ユーザーと100万以上のLINE公式アカウントをAgent iがつなぐエコシステムを解説。飲食店や美容サロン、教育機関など、多様な業種がAIモードを活用することで、ユーザーはAgent iを通じて店舗への相談や予約をシームレスに行えるようになる。信頼性の高い公式情報に基づいた正確な提案が可能だ
今後の展開:企業が公式アカウント上で簡単に接客AIを構築可能に
一般ユーザー向けだけでなく、ビジネスの現場に価値をもたらす展開も予定している。上級執行役員 コーポレートビジネスドメイン 二木祥平CPOは、全ての企業の現場に最高のプロフェッショナルを届けることを目指すと明言した。2026年夏頃より提供予定の「LINE OA AIモード」は、企業が公式アカウント上で簡単に接客AIを構築できる機能だ。
LINE公式アカウントに導入されるAIモードの具体像。従来のチャットやミニアプリに加え、AIがエージェントとして接客を代行する。スライドでは飲食店予約の例が示されており、ユーザーの要望に合わせたメニュー提案や予約完結までを対話形式で実現。2026年夏頃から順次提供が開始される予定だ
LINE OA AIモードが提供する3つの核心的な体験。友達関係から生まれる「あなた専用の接客」、音声や視覚によるリアルな「Live Interface」、そして予約・購買が対話内で完結する「In-Dialog Action」を掲げる。単なる自動応答を超えた、人間味のあるスムーズなやりとりを目指している
二木氏は「現在20社以上のパートナー様と検討を開始している」ことを明らかにし、「大手のブランド、メーカー、そして飲食、美容のトップランナーの企業の皆さまと一緒にこのLINE OA AIモードを作って世の中に広げていきたい」と意気込んだ。
サービスの初期検討パートナーとして名を連ねる20社以上の企業ロゴ一覧。スシローやサンマルクカフェ、タリーズコーヒーといった外食大手のほか、美容室や理容店など、日常生活に密着した多様なブランドが参画。幅広い業種との連携により、ユーザーは多岐にわたるサービスをAI経由で享受できる
このモードでは、AIが過去の予約履歴などを引き継ぎ、人間に代わって24時間いつでもきめ細かな接客を行う。さらに8月より提供予定の「Agent i Biz」は、サイトの集客分析や運用プランの立案、管理画面での煩雑な設定作業などを代行する。現場で忙しくPCを開く時間がない担当者でも、LINE上の対話を通じて業務の大幅な効率化を図ることが可能となる。
2026年8月提供予定の伴走型AIエージェントAgent i Biz。分析・プランニング・運用の各エージェントが連携し、ツールの開設から広告運用までを自律的に実行する。膨大なデータを基に最適な施策を先回りして提案し、WebやLINEから外部連携にも対応する、ビジネスの実行力を高めるツールだ
Agent i Bizのプランニングエージェントにおけるデモ画面。認知拡大や購入最大化といった目標に合わせ、ターゲット設定や予算配分、期待指標をAIが自動提示する。複雑な戦略策定をAIが肩代わりし、ユーザーは提示されたプランを選択するだけで施策を開始できる、運用の自動化を象徴する画面だ
同社は本サービスを通じて、企業が情熱を込めて作ったブランドやお店の世界観をより多くのユーザーに届けたいと考えている。企業側のビジネスを多角的に支援することで、結果的にユーザーが新しい魅力的な商品と出会い、日々の生活を豊かにしていく好循環なサイクルを構築し、生活から業務に至るまであらゆる活動を進化させていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
LINEに物申す――「アイコン変えないで」 桜の花びらが舞い散り、Xでは賛否
LINEのアイコンに桜の花びらが表示されている。Xで「LINEのアイコン」がトレンド入りしたのは、アイコンの変化が原因と思われる。Xではさまざまな反応が見られた。
もはやLINEはインフラ 若者は本命SNS「Instagram」で何をしているのか?
若者がLINEを使っていないといわれて久しいが、実際にLINEを使っていないわけではない。「LINEは使わなくなった」と言っている若者は、もはやLINEがインフラと化しているため、意識していないのだろう。その一方で、Instagramでメインとサブのアカウントを利用している若者が増えている。
「LINEの送信取り消し仕様が改悪」──“突然の有料化”がSNSで物議 「そもそも取り消さない」との意見も
LINEの送信取り消し機能の仕様が変更され、SNSでは「改悪」との声が広がっている。一部の利用者が「突然の有料化」に不満の声を投稿している。その一方で、「そもそも取り消し機能を使わない」とする意見も見られる。
なぜ? LINE起動時のNetflix広告が炎上した理由 「アプリを間違えたかと思った」の声
2024年2月、LINE起動時にNetflixのロゴが表示される広告施策が実施され、SNSで大きな波紋を呼んだ。企業側は「特別な世界観」を演出したが、生活インフラであるLINEの利便性を損なう設計は多くのユーザーに不快感を与えた。本記事では、現代のタイパ重視の傾向やUXの観点から、この騒動の背景と教訓を深掘りする。
飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」
飲食店でスマホを使って注文をする機会が増えているが、「客のリソースにただ乗りしないでほしい」という声が挙がっている。LINEを使ったスマホオーダーにも否定的な意見が多い。テーブルのQRコードを読み取って、初めてLINE連携が必要だと分かった店舗もあった。