MS、ミネソタ州の集団訴訟で和解。不正行為は認めず
MicrosoftがWindowsの独占力を悪用し、米ミネソタ州で自社製品を不当に高い価格で販売したとして起こされた集団訴訟が、仮の和解合意に至った(関連記事参照)。
ヘネピン郡地方裁判所のWebサイトに掲載された声明によると、今回の和解によって3月15日から始まった公判は幕を閉じ、陪審団は解散する。和解条件は7月初めに最終合意に至るまで公表されない。
米司法省による独禁法訴訟に触発されて起こされた幾つかの対Microsoft集団訴訟のうち、ミネソタ州の訴訟は、Microsoftが和解もしくは裁判所による棄却に持ち込めていなかった訴訟の1つ。
アリゾナ、ニューメキシコ、アイオワ州での訴訟がまだ公判に進む可能性を残しており、ネブラスカ州最高裁は先月、同州で起こされた集団訴訟を棄却した下級審の決定を覆した(3月20日の記事参照)。Microsoftの広報担当者ジム・デスラー氏によると、ニューヨーク、オハイオ、ウィスコンシン、ミシガン州の裁判所は当初、消費者集団訴訟を棄却したが、原告側はこうした決定をめぐって上訴に踏み切っている。
バーモント、マサチューセッツ州の訴訟もまだ進行中だが、デスラー氏によると集団訴訟の手続きに入るかまだ決まっていないため、アリゾナ、ニューメキシコ、アイオワでの訴訟ほど審理が間近に迫ってはいない。
Microsoftはカリフォルニア、テネシー、ノースダコタ、サウスダコタ、カンザスなどの州で消費者の代理人の弁護士と和解に至り、特定期間にMicrosoft製ソフトを購入した顧客向けに商品券を提供することで合意した。この商品券はコンピュータソフト・ハードの購入に利用できる。
これらの和解に際して、Microsoftは常に不正行為を否認してきた。同社は先の声明でも、同社がミネソタ州で不正行為に従事しているとする申し立てを否定する姿勢を示していた。
「われわれは今でも訴訟において自信を持っており、審理中もその自信は揺るがなかった」と同社広報担当のステイシー・ドレイク氏は4月19日に話した。同氏によると、Microsoftはミネソタ州での和解の一環として、不正行為を認めることはしなかったという。
和解に向けた交渉は審理中に断続的に行われ、16日に実を結んだとドレイク氏。「われわれは初めから和解に向けて適切な方法を模索し、オープンな姿勢を取ると伝えていた」
Zelle Hofmann Voelbel Mason & Getteのパートナーで原告側主任弁護士を務めるリック・ハグストロム氏によると、ミネソタ州の原告側弁護団は、Microsoftが1994年から2001年にかけて同州でソフト購入者に過当な料金を課したとして、およそ5億500万ドルの賠償金を求めていた。賠償金額はミネソタ州法に沿って3倍に膨れ上がっていた可能性もあったという。
「われわれは証拠を提出しており、訴訟の進捗に満足している」(ハグストロム氏)
ミネソタ州訴訟の陳述は3月15日から始まり、裁判所は審理期間を3カ月と定めていた。Microsoftは答弁の一環として、会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏とスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)を証言台に立たせる可能性を示唆していた。和解に至ったため、Microsoftはまだ答弁を始めてさえいない。
ミネソタ州の訴訟で提出された証拠は、4月26日まで同裁判所のWebサイトで公開される。証拠文書からは、MicrosoftがDOSの販売を手掛けていたころの初期の事業の様子を見て取れる(3月25日の記事参照)。
Microsoftは、同社を相手取って起こされた訴訟の対応に追われている。同社は今月、Sun Microsystemsに16億ドルを支払い、独禁法に関連する民事訴訟と特許問題をめぐって和解することで同意(4月5日の記事参照)。InterTrust Technologiesから起こされたデジタル権利管理(DRM)特許をめぐる訴訟も4億4000万ドルで手打ちとした(4月12日の記事参照)。
Directions on Microsoftのアナリスト、マット・ロゾフ氏はMicrosoftが528億ドル分の現金と短期証券を抱えていることに言及し、「Microsoftは、こうした訴訟の一部の解決に向けて実に積極的で、それによって現金をほかの目的に使えるようになるかもしれない」と語った。Microsoftはこれだけの現金を手元に置く理由の1つとして、法的問題の先行き不透明さを挙げてきた。
Microsoftがまだ和解に至っていない訴訟として、欧州規制当局との訴訟などが挙げられる。欧州委員会は先月、反競争的行為に従事したとして、Microsoftに4億9700万ユーロ(5億9700万ドル相当)の罰金の支払いを命じた。Microsoftはこの決定に対して上訴する意向だ(3月25日の記事参照)。
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