EU、量子暗号の通信システムで米のEchelonに対抗へ
欧州連合(EU)は向こう4年間で1100億ユーロを投じ、量子暗号を基盤としたセキュアな通信システム「SECOQC」(Secure Communication based on Quantum Cryptography)を開発する。極小スケールの物理界をつかさどる法則を使って解読不可能な暗号鍵を作成・配布する計画だ。プロジェクトコーディネーターが5月17日明らかにした。
このプロジェクトが成功すれば、暗号開発者の究極の目標である、完全に解読不可能なコードが生成され、Echelonなどのスパイシステムによる盗聴の取り組みを回避できる。Echelonは米、英、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの情報機関のために、電子的なメッセージを傍受するシステム。
「目的は、Echelonを含めて何者にも傍受できない通信システムを作り出すことにある」と話すのは、Milan Polytechnicのエレクトロニクス学部教授でプロジェクトコーディネーターの1人であるセルジオ・コバ氏。「われわれが口にしているのは、相当な技術革新を要するシステムだ。これが機能することを実証しなければならないが、現段階ではまだ実現できていない」と同氏は言い、商用化実現のためには地理的な到達範囲とデータ伝送速度が要求されると説明した。
プロジェクトにはオーストリア、ベルギー、英国、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スウェーデン、スイスから、大学や研究機関、民間企業の量子物理学者や暗号、ソフト、ネットワーク開発の専門家が参加する。
プロジェクトコーディネーターらによれば、まず18カ月かけて複数のソリューションについて評価、最も有望で開発メリットのある技術を選ぶ。4年以内に実際に機能する技術を登場させるのが目標だが、商用利用のためにはさらに3~4年を要するかもしれないと見込んでいる。(→詳細記事)
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