ユーザーの“ものぐさ”が変える「監視カメラ」の世界(2/3 ページ)
セキュリティカメラ市場は、IPカメラの登場によって市場規模も変わってきた。最近の状況の変化を、ソニーマーケティング コンテンツクリエイション&コミュニケーションマーケティング部 岩田 範道氏に聞いた。
「もともとアナログベースの監視カメラ市場は、年間1千億円規模と言われておりまして、年々微増といった状況でした。IPカメラが出てきてからは、過去のアナログカメラからの置き換えという需要以外にも、一部新しい市場ができてきています。市場規模に関してはいろいろな調査結果がありますが、IPカメラだけの市場としてみると、年間だいたい30億円程度の市場規模があるのではないかと考えています」
セキュリティ以外の新しい市場、言い換えれば新しい使い方というのは、どういうものなのだろうか。岩田氏は苦笑しながらこう語る。
「さまざまな使い方を、お客様が独自に考えているというのが現実ですね。製品カタログなんかも私が作っているんですが、用途が広すぎる故に、何か具体的なことがなかなか書けないんですよ。だからついつい何にでも使えます的なことしか書けなくなってしまうんですけども」(岩田氏)
「例えば半導体工場なんかでは、装置がエラーを発信したから様子を見に行かなくちゃ行けないんだけど、ああいうところではちょっと中に入るだけなのに、防塵服を着てエアシャワーを浴びてと、大変なことになるわけです。そういうときにこういったカメラがあるだけで、わざわざ中まで入って行かなくてもだいたいの状況が分かる」(同氏)
「ネットワークカメラの第1号っていうのは、英国のケンブリッジ大学にあったんです。学生がコーヒーを飲みたくなったとき、せっかくそこへ行ってもコーヒーポットが空になってることが多いと。わざわざコーヒーの残量を見に行くのがめんどくさいんで、そこにカメラを付けてネットワークにつないじゃって、自分の席から見えるようにしたんですね。そのカメラの映像が世界中から見えるようになって、やがて世界で一番有名なネットワークカメラになったんです」(三浦氏)
最初にこのカメラが登場したのが1993年11月、ケンブリッジ大学コンピュータ研究所でのことである。「The Trojan Room Coffee Machine」と名付けられたこのカメラの映像は、途中研究所の移転などもあったものの、2001年8月22日にそのスイッチが切られるまでのおよそ8年弱に渡り、ライブ中継を続けることになる。
つまりIPカメラの原点は、“ちょっとしたことなんだけど、わざわざそこに人間が行かなくても状態が分かる”というものなのだ。電源とネットワークがあれば、簡単に誰でも設置できて、誰でもそのカメラの映像を見ることができる。そういう簡便さも、ライトな用途に拍車を掛けていると見ていいだろう。
「これらの用途はある意味、一つの業務改善なんですね。『ものぐさ』というのが、実は重要なキーワードなのかもしれません」(三浦氏)
ライトな用途は無限にある
ソニーの「SNC-P1」は、リーズナブルな価格とルックスではあるが、実際には個人で買えるようなコンシューマー製品ではなく、あくまでも業務用の製品だ。だがソニーでは、今後の展開次第でコンシューマー市場への進出も可能ではないかと考えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
3
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
4
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
5
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
6
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
-
10
Anthropic、独自の“創薬活動”に着手 社員1人のバイオ企業を買収、小児難病の治療薬研究を進める
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR