レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style
TW500に迫るコントラスト感と色バランス――プロジェクター「TW200H」(3/4 ページ)
徹底チューニングで引き締まった黒を実現
TW200Hの写真やスペックを見ただけでは、昨年との違いは見つけることができないかもしれない。TW200も色むら対策による仕様変更でコントラストが1000:1にアップしたため同じだ(余談だが、このコントラストアップはマイクロレンズアレイ採用パネルへの変更がもたらしている)。
一番大きな違いは最高輝度が1300ルーメンから1500ルーメンにアップしたことだが、ランプ出力はUHPランプの200ワットと変更されておらず、光の利用効率を高めることで明るさアップを果たした。映画視聴などに向くシアターモードでの500ルーメンには違いがない。
しかし、その絵は全くの別物だ。スペック上のコントラストこそ同じだが、黒浮きが確実に減り、色純度も大きく向上している。これは色調整担当者が、数百枚に上るDVDビデオの各種シーンをひとつひとつ点検し、トーンカーブの調整を追い込んだ成果だという。
光学エンジンそのもののスペックに変更はないが、シャドー部のトーンカーブを詳細にカスタマイズし、黒浮き感をなくした。スペック上のコントラストでは、他社最新機種の2000:1には及ばないが、実際の黒沈みやコントラスト感は同等といって差し支えない。
元々、ニュートラルグレーが得意な癖の少ない絵作りが特徴だったTW200だけに、TW200Hになってトーンカーブが最適化されたことで、上位モデルのTW500とほぼ同等の画質になった。やや色純度の高さでは劣るものの、価格差からは想像できないほどTW500とTW200Hの差は近い。
またリビングモードの色調が、TW200よりも癖のないものになった。エプソンシネマフィルタを通さないリビングモードは、どうしてもUHPランプの癖が出ていたが、緑信号の調整を最適化しており、かなり“使える”モードになった。
これらはすべて、“調整”という名の追い込みによって作られているだけなのだが、ハードウェアの変更に近い大きな効果がある。エプソンは頑固なまでに、スペック上のコントラストを向上させる動的なアイリス、ランプ光量、ガンマなどの調整機能を実装しないが、これだけ素の特性が良ければ、それらの必要性もあまり感じない。
リビングモード以下、シネマモードまでは、コントラストや明るさの違いこそあれ、どれも似たような絵作りになっている点もいい。純粋の光量や色沈みだけで各種モードを使いこなせばいい。
RGB各色のオフセット(バイアス)、ゲイン、ガンマを調整可能で、さらにシリアルポートもしくはUSBで接続したWindowsパソコン上でエプソンシネマカラーエディタを用いれば、R/G/B/C/M/Yの6軸でカスタムの色調整を行える点も評価したい。こうした調整はけっこう難しく、適切な知識と調整用DVDが無ければうまく行かないものだが、エプソンは様々なタイプの設定情報ファイルをインターネット上で提供している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR