麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
CES取材で見えてきたデジタルAVの最新トレンド(2/4 ページ)
――HDTVへの流れは、デジタルAVの世界にどんな影響を及ぼすのでしょうか?
麻倉氏 : まず“どんなディスプレイがHDTVに適しているか”というディスプレイ論争が激化しています。フルHD対応の薄型TVやリアプロTVなどが、今後注目されていくでしょう。米国でリアプロTVが人気だということは以前のデジタル閻魔帳で述べましたが、人気のマイクロディスプレイタイプ(画素型)の中でも特にDLP方式が米国で支持されています。ですが今回のCESでは、LCD方式のメーカー6社が集まって『3LCD Group』を結成し、市場への普及拡大をアピールしました。これもHDTVに向けての主導権争いの一端でしょう。
――CESでは次世代メディア論争も注目されましたよね。
麻倉氏 : Blu-ray DiscやHD DVDも“HDTVへの潮流”の原動力になっています。今回のCESでは、HD DVD陣営がコンテンツリストを公開して89タイトルを発売することをアナウンス(別記事参照)。しました。昨年の段階では、私が各スタジオに訊いたところでは、ROMメディアの登場は2006年秋頃といっていました。HD DVDの1年前倒しのスケジュールも、やはり急激なHDTVの伸びのせいです。
――エレクトロニクス分野全体で“HDTV”がキーワードになっているようですね。
麻倉氏 : HDTVは、CE分野だけでなくIT企業にも影響を与えています。例えば、PCをビデオサーバに使うといったホームネットワークは以前から言われていましたが、その映像は当然SDがメインでした。ですが今年のCESでは、Microsoftのビル・ゲイツ氏やHewlett-Packardのカーリー・フィオリーナ氏といったIT企業トップが、基調講演で例外なく“HDTV”を叫んでいました。ソニーの米国法人Sony Electronics社長の小宮山英樹氏も、米国のテレビ売り上げの6割以上はHDTVモデルになっていると述べています(別記事参照)。
――HDTVというキーワードでみた今年のCESの注目展示は?
麻倉氏 : 今年も韓国勢が元気でした。中でもSamsungグループの存在感は大きかったですね。昨年まではパナソニックがブースサイズでも存在感でも他を圧倒していたのですが、今年はブースの広さでもSamsungがナンバーワンでした。展示でまず驚いたのが102インチのプラズマテレビです。想像を絶する大きさもさることながら、この秋には量産を開始するというスケジュールにも驚きました。同社で80インチの商品化が1年かかったことを考えると、PDP生産能力がかなり増強されていることが想像できます。
Samsungグループの凄いところは、プラズマだけでなく、世界最大70型DLPリアプロTVや57型液晶テレビなど、あらゆるディスプレイをすべてまんべんなくやっている点。国内メーカーがディスプレイで“選択と集中”を行っているのとは対照的です。
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