次世代DVD、遠ざかりつつある“規格統一への道”(1/3 ページ)
先週末、速報でお伝えしたように、5月13日に東芝・ソニー・松下の3社が集まり、青紫レーザーダイオードを用いた次世代光ディスクの規格統一に向けた話し合いが行われた。しかし、日付が変わって14日深夜1時過ぎにまで及んだ会議は、結局は物別れに終わっている。
ただし、「多少の弾力性が残されている」と前回の記事でも述べたように、わずかな可能性を残して翌15日に、3社による交渉が継続された。13日までの段階では、互いの開発の進捗状況や開発データを交換し、それぞれの考え方を主張しあったが合意には至らなかった。15日の交渉では、出尽くした感のある互いの主張を前提に、経営視点に立つトップ同士の“話し合い”となったようだ。
従来と同じ議論に終始した先週までの会議
もともと、統一交渉が開始されたのは、東芝側からのアプローチだった。東芝本社トップの判断で、0.1ミリへの変更を検討することを前提にソニー・松下側に、統一規格の可能性を打診した。
“この期に及んで”という句が浮かんできそうなタイミングだが、この時期まで技術面で全く歩み寄れなかった中で、東芝が0.1ミリ構造への変更を視野に入れた交渉をアプローチしたのは、ひとつには経営判断、もうひとつは0.6ミリ構造での大容量化(特に記録型の大容量・多層化)や将来の記録速度高速化が難しく、開発の現場からも0.1ミリにすべきではとの声が上がったからとも言われている。
一方、ソニー・松下も0.1ミリ構造のディスク製造で、歩留まりを上げる事に苦労していたのも確かだ。ソニーは昨年、静岡のBD製造テストラインを公開し、さらにはハリウッドにあるSINGULUS TECHNOLOGIESの工場内にもテストラインを作った。松下はソニーとは異なるスピンコート方式の0.1ミリカバー層生産方式を開発し、オリジン電気との提携で同方式のBD製造ラインの熟成を急いでいる。
しかし現時点において、両者とも良好といえる歩留まりは達成できていない。東芝関係者は何度かソニーの静岡工場を訪れ、BDの製造ラインを検証したというが、今年になってもプレス直後の数100枚を抜き取って検査する事を許されず、別途用意されたサンプルを持たされた。ところがそのディスクも、厚み誤差3ミクロンというBD-ROM規格に対して、“マージンなしのギリギリの精度”しかなかったという。
またSINGULUSのBD-ROM複製ラインは、映画スタジオ筋の情報によると現状で60%の歩留まりを目指している段階で、最終的に95%を目標としているものの、具体的な時期については見通しが立っていないという。
さらに、タイムリミットとして設定したタイミングまでに、松下のスピンコート方式について詳細な検証を行う時間は残念ながらなかったようだ。スピンコート方式の2層ROMが十分に安定するまでにはあと数カ月はかかると見られ、現状のデータだけでは東芝も納得できなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR