「テラワロス」も現代用語――はてなキーワードと流行語の接点(1/2 ページ)
11月4日発売の新語辞典「現代用語の基礎知識2006」(自由国民社)に、「はてなダイアリーキーワード」から選んだ105語が掲載されている。「ツンデレ」「萌え属性」といったオタク用語や、「テラワロス」など2ちゃんねる用語、「ささやき戦術」など耳慣れないものまで、選ばれた言葉は多彩だ。
「はてなダイアリーキーワードは汽水域の匂いがする」と、同書の長沖竜二編集長は言う。汽水域とは淡水と海水が混じる場所。ネット用語という淡水の川が、一般化した流行語という海に注ぎ入ろうとする、境界ギリギリの雰囲気が、はてなダイアリーキーワードにはあるという。
現代用語の基礎知識は1948年創刊。テーマごとに著者を立てて流行語や新語などを収録・解説する、年1回発行の辞典だ。
ネットが一般化し始めた1997年ごろから、同書は“ネットの言葉”を効率的に取り込む手段を探してきたという。ネットのボキャブラリーは従来のボキャブラリーとは少し異なる上、次の流行の種が埋まっている可能性が高いためだ。
例えば昨年度版に掲載し、同書掲載語から選ぶ「新語・流行語大賞」の候補にもあがった「萌え」。当時ネット界ではよく使われていたが、一般社会には浸透しておらず、大賞の審査員には知らない人もいたという。「今年の審査会に行けばみんな知っているだろう」――昨年は汽水域だった「萌え」は、今年一気に海に流れ出した。
萌えのように、ある特定の世界では普通だが、もう少しで一般に浸透しそうな“ギリギリの用語”をいかに集めるかが、編集部の腕の見せどころ。そんな用語が最もたくさん埋まっていそうなネット上の用語辞典が、はてなダイアリーキーワードだという。
はてなダイアリーキーワードは単なる用語集ではなく、ユーザー自らが編集し、書き込み、用語の定義を意識してダイアリーの中で使う――ネットの現場で使われている生きた言葉。定義の詳しさや意味の正確性では「ウィキペディア」など別のネット辞典に劣るところもあるかもしれない。しかし、その用語がその意味で実際に流通し、日々の日記で使われていることを確認できる。
「“世の中の力”をもらいながらふくらんでいく言葉がある」と、長沖編集長は言う。昨年の流行語大賞トップテンに入った「負け犬」がその典型例。書籍「負け犬の遠吠え」で語られた意味とはまた違った解釈で人々が実際に使い、ブームを巻き起こした。はてなダイアリーキーワードも、人々がそれぞれの解釈で実際に使っている生きた言葉。ブームの種となる可能性は高い。
なぜあの言葉が入ったか
掲載語選定当時、キーワード登録されていたのは約12万語。スペースの関係などから掲載できたのは105語だ。「ツンデレ」などネット界でも“現代用語”と言えそうなものから「テラワロス」など「ちょっと古いのでは」と感じられるものも選ばれている。
次ページ:「テラワロス」採用の理由
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