小寺信良
エルゴノミックキーボードにヤラレる(3/3 ページ)
実はこのスタイルが異様なまでに楽なのだ。これまでは手を持ち上げた方が楽にタイプできると思いこんでいたのだが、それがまったくの思いこみであったと思い知らされた。
また日本語配列の割に、スペースバーが長く幅広いのはいたく気に入った。筆者は漢字変換動作のためにスペースバーを左手の親指で押すのがクセなのであるが、一部の日本語キーボードでは、間違って「無変換キー」を押してしまうこともある。変換動作と無変換動作はまさに対極にあるわけで、そのイラつきといったら尋常ではないのである。
キータッチはまさにメンブレン特有のユルユルとした感触なのだが、安っぽいギシギシした感じはない。また手首の角度からしても、さほど力を入れずにタイプできるメンブレンのほうが、このキーボードには向いているのではないか。というかこの手首の楽さに、あれほどこだわっていたキータッチが、全く気にならなくなっているのである。
また最大の懸念であったキーの分かれ目だが、幸いなことに筆者の自己流ブラインドタッチでもまったく問題なかった。これはまさに、エルゴノミックキーボードに開眼した、と言っていい感覚だ。
唯一のネックといえば、日本語配列であるために、Enterキーが遠いことだろうか。筆者は普段から英語キーボードしか使わないので、やや右手首の横の振りが普段よりも大きくなる。
だがMicrosoft製品なら、海外のパソコンショップでも潤沢にUSモデルが入手できるかもしれない。これは次回渡米時のお楽しみとしておこう。
いずれにしても、筆者がエルゴノミックキーボードに対して適応できるということが確認できただけでも、五千数百円の元は十分に取った。これからまたキーボードで散財する日々が続くのだろうか。
怖いようなうれしいような。今週末あたり、久々にアキバをフラフラしてしまいそうな予感がする。
小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。
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