DVDレビュー
れこめんどDVD「銀河ヒッチハイク・ガイド」(2/2 ページ)
画質・音質は文句なしの高レベル
画面サイズはシネスコサイズをスクイーズ収録。DVDの画質についてはSD画質としては文句のないレベルに達しており、これ以上を望むならハイビジョン以外あり得ないだろう。しかし、冒頭に映し出されるイルカの映像、地球上に現れた宇宙船の迫力、その後さまよう宇宙空間の奥行き、ロボットの質感、VFX効果が生かされた広大なカットなど、いずれも破綻することなくしっかり再現されているのでストレスはない。
音声は英語・日本語ともに5.1chドルビーデジタルで収録。音響でも派手な画作りをサポートするかのように広々とした音場が創りだされていて、ハリウッドの力を感じさせる。特に後半、「あるもの」の製造工場に入っていく瞬間は空間的な広さを感じさせ、ホームシアターの楽しみを倍増させているのだ。本作は不幸にも全国での拡大公開とはいかなかったが、DVDは劇場で見逃した人も劇場レベルでの体験を充分約束できるものとなっている。
遊び心あふれる特典も魅力、中でも無限不可能性ドライブがオススメ
DVD特典はメイキングや未公開シーンなどを収録。分量的には大したものではないが、映画の雰囲気を生かした画面構成やいたずらが盛り込まれていて本編鑑賞後に楽しむには最適だ。
まず「メイキング・オブ『銀河ヒッチハイク・ガイド』」(約9分)ではガース・ジェニングス監督が製作に至る流れやキャスティングについて熱く語っている。特にサム・ロックウェル演じる銀河大統領についてはエルビス・プレスリー、クリントン元大統領、「ゴースト」のパトリック・スウェイジ、ブラピを混ぜたと説明し、笑わせてくれる。またコメディ演技は相手がいるからこそ成り立つと、VFXに頼りすぎのハリウッドを皮肉り、着ぐるみ使用の理由を述べている。
「追加のガイド」(45秒)は“Shynola”によるアニメ映像。「未公開シーン」は「地球人について」「ご機嫌なヴォゴン人」「愛の力」がそれぞれ1分程度収められている。「愛の力」はラスト、大統領がいきなり女性副大統領に抱きついている理由が解明された。
「本当の未公開シーン」は「撮影中のパニック」(1分51秒)と「アーサーの逃亡」(55秒)の2種類を収録。「撮影中のパニック」は撮影中の場面に納得のいかない俳優たちが監督と議論、そんな中、サム・ロックウェルは携帯で話し始める。もちろんこれは撮影用にワザと撮られたものだろう。
冒頭に流れる「魚をありがとう」(2分35秒)はディズニーおなじみのシング・アロング・ソング形式で、英語歌詞で一緒に歌うこともできる。
そしてこの画面最大のキーポイントである「無限不可能性ドライブ」。何のことかと押してみると、映画同様、特典のどこか適当な場面に画面がジャンプしてしまう。繰り返す度にジャンプするポイントが違うのも映画同様で面白い。
音声解説は監督、製作、アーサー役のマーティン・フリーマンと、クライマックスに登場する伝説の星に住むスラーティバートファースト役のビル・ナイが参加したものと、製作総指揮のロビー・スタンプと原作のダグラス・アダムスの友人、ショーン・ソルが参加した2バージョンを収録。「マイケル・ベイとは違う方法でパニックを描きたかった」という監督や、作品の細かなテーマに触れるショーン・ソルのコメントが楽しい。映画を気に入った人なら是非聞きたくなる内容のコメンタリーとなっている。ただし、しばらく会話がない部分については映画本編の字幕を入れておいても良かったと思うので、それは今後改良されることを期待したい。
たまにはマニア向け作品もアリでしょう
全米・全英大ヒットにも関わらず、日本では知名度の低さからシネコンを中心にした数館での公開に終わった「銀河ヒッチハイク・ガイド」。確かにマニア向けの作品だし、有名スターも出ていない。それでもダグラス・アダムスが作品に込めたテーマはとても魅力的なものだし、既成の概念を徹底的におちょくったこの内容がディズニーという老舗で作られたのは有意義なことと言える。
本作は次世代ディスクであるBlu-ray Discでも発売が予定されているが、正確な発売日がまだアナウンスされていないこの時に、それを待つというのも時間がもったいない話だ。初回限定版にはみうらじゅんが解説する「銀河ヒッチハイク・ガイド」ガイドが封入されているので、こちらも是非楽しんでもらいたい。
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