レビュー
くるりと反転、車載もOKのソニー「DVP-FX810」(2/2 ページ)
付属のリモコンは、コンパクトながら少し厚め。しっかりと手のひらにホールドできる大きさだ。また、本体の赤外線受光部が側面と液晶パネル下の2カ所に用意されているのもポイント。視聴スタイルを変えても(画面を反転させて閉じても)リモコン操作に問題はない。
液晶画面の表面は透明なアクリルパネルで保護されており、傷がつきにくい構造になっている。クリアタイプの画面は、見栄えがする一方で使用時に映り込みが生じるため、好き嫌いが分かれる部分だが、同機の場合は気にならないレベルだ。視野角も広く、たとえば電車や車の座席で2人並んで画面を覗き込むようなスタイルでも問題ないだろう。なお、本体側面にはヘッドフォン端子が2つあり、2人同時にDVDを見ることができる。このあたりはDVDウォークマンと同じだ。
DVDウォークマンにあったデジタル音声出力やDTSデコーダーは備えていないが、同機の場合はスピーカーを内蔵していることもあって単体で利用する機会が多そう。DVDウォークマンがモバイル&デスクトップなら、こちらはモバイル&車載という利用シーンが似合いそうだ。液晶パネルを表にした状態で車内に固定すれば、お手軽カーシアターが出来上がる。
DVDドライブは、DVD+RW/+R/+R DL(2層)/-RW/-R/-R DL(2層)といった豊富なメディアフォーマット の再生に対応しており、前述のようにCPRM対応のDVD-RW/-Rも再生可能だ。DVD-R DLに関してはビデオモードのみサポート。デジタル放送のコピーワンス番組を持ち歩きたいなら、1層DVD-RかDVD-RWを使用することになる。このほか“DVDハンディカム”で撮影した8cmDVD(DVD+RW/-RW/-R)の再生にも対応。撮影時にモニターとして持ち歩くのもアリだろう。
試作機のため、画質については参考程度に考えてほしいが、DVD再生時の画質はDVDウォークマンと少し傾向が違った。こちらは発色が控えめで、コントラストもあまり高く設定されてはいない。明るさや特定の色を強調することがなく、そのぶん階調表現にも無理がない。
たとえば映画「羊たちの沈黙」のラストシーン。DVDウォークマンでは暗い部分と明るい部分に分かれてしまった地下室の壁が、滑らかなグラデーションで表現できていた。解像感も同クラスのポータブルDVDの中では標準以上。派手さがないぶん、店頭では不利に働くかもしれないが、個人的には好感が持てる画質だ。
画面アスペクト比はノーマルとフルのみ。DVDウォークマンでは本体前面の「LCD MODE」ボタンを押すと直接画面モードが切り替わったが、DVP-FX810ではメニュー画面が表示される。このメニューでバックライトやコントラスト、色合いなど画質設定も可能になっており、DVDウォークマンより柔軟性は高いと思う。
ソニーが同時に発表したこともあって、“DVDウォークマン”のブランドやユニークな視聴スタイルのほうに目を奪われがちだが、「DVP-FX810」は良くまとまったポータブルDVDプレーヤーだ。バッテリー装着時の厚さと重さは難点だが、そのぶん駆動時間は長く、画質や(DVDプレーヤー部の蓋を除く)質感は値段以上。重さを割りきって考えることができるなら、良い選択肢になると思う。また今回は検証できなかったが、CPRM対応メディアを再生できる点にも注目したい。今から購入するAV機器は、どんな製品であっても2011年のアナログ停波を念頭に置いて選択するべきだ。
たとえば店頭でDVDウォークマンを触っている人がいたら、「一度、こっちも手にとってみて。大きいけど」と勧めたくなる。「DVP-FX810」は、そんなポータブルDVDプレーヤーだ。
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