「iPhone」訴訟、Appleに勝ち目はあるか(2/2 ページ)
Appleの主張は諸刃の剣
「iPhoneはVoIPにおいて一般用語であり、Ciscoの商標はほとんど意味をなさない」というのがAppleの言い分だと、法律事務所Eckert Seamans Cherin & Mellottの知的財産権部門責任者、デビッド・ラダック氏は解説する。
「Appleはこの点で非常に微妙な一線にいる。iPhoneが通信分野で一般用語だという主張がもし通ったとして、例えばMotorolaが“iPhone”を出してきたらどうなるのか。この場合、Appleが業界の他社に対してiPhoneという名称の権利を主張することはできない。これは諸刃の剣だ」とラダック氏は言い添えた。
CiscoとAppleの争いが法廷に持ち込まれた場合、「混同を招く可能性」が争点になるとラダック氏は見る。「AppleによるiPhoneの利用は、Ciscoが現在使っている商標のiPhoneと混同される可能性があるのか。例えば大手法律事務所の社員で、携帯電話を持っている人物が、職場ではVoIPサービスを使う場合もあり得る」(同氏)
混同という点では、逆の可能性もあり得る。
「(Appleのような)大手がこの用語で脚光を浴びれば、Ciscoがこの言葉を使っていることに対して『Appleのぼったくりだ』と言われる可能性もある。これがもう1つの争点になる」とラダック氏。
混同の可能性を争点にした場合、決着させなければならないのはCisco製品はApple製品と関係があるのかという問題だ。携帯電話と職場の電話、家庭の電話はいずれ融合するとCiscoは予想しており、この関連性を主張する公算が強い。
「『これはすべて関連するものであり、当社が携帯電話に進出するのは自然な流れだ』というのがCiscoの主張になる」(ラダック氏)
Appleが米国外で商標登録を進めていることについてラダック氏は「Appleが(Ciscoを)米国で孤立させようとしているのは興味深い。しかし米国は世界最大の市場であり、国ごとに違う商標で展開するのは難しいだろう」と語った。
CiscoのiPhoneはコードレス電話となっている。
「現在のiPhoneは未来のデバイスとなるようなものではなく、当社は意を強くしている。家庭、携帯、職場の電話の融合の可能性は無限だ。この観点から、ブランドの保護は非常に重要となる。当社にとって問題の焦点となるのはこの点だ。当社はこの商標をAppleと共有することに極めて前向きな姿勢だ」
Ciscoは和解に前向き
Ciscoは1月10日正午、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁にAppleを相手取った訴訟を起こしたが、商標問題をめぐるAppleとの合意成立の希望は現在も捨てていない。
「当社は訴状を提出し、手続きを進行させる。業界と当社顧客にとって最善の措置を取りたい意向だ。合意に対して前向きな姿勢は変わらない」(ノー氏)
「法廷外で決着させる必要があるのは明らかだ。法廷に持ち込まれればCiscoの勝訴は目に見えている。Appleに勝ち目はない」。こう話すのは、Burton Groupのリサーチディレクター、デビッド・パスモア氏。「率直に言って、Appleがどうしてこれを単純にiPodと呼ばないのか分からない。これはあらゆるクールな機能を備えたiPodだ」
Ciscoの上級副社長兼法務顧問、マーク・チャンドラー氏は声明文で次のように述べている。「Appleが繰り返し、CiscoのiPhoneの名称を使わせて欲しいと許可を求めてきたことから、Ciscoは誠意を持って交渉を開始した。Appleの新しい電話は非常にエキサイティングかもしれないが、当社の商標を許可なく使うことは許されない」
しかし結局のところ、長期的にはすべて問題でなくなってしまうかもしれない。
「私は法律家ではないのでこの問題の法的側面についてはコメントできないが、はっきりしていることが2つある」。JupiterResearchのマイケル・ガーテンバーグ氏はeWEEKにこう語った。「第1に、Appleは製品発表前に法的問題をすべてクリアしておくべきだった。第2に、Appleがこれを何と呼ぼうと私はたいした問題だとは思わない」
「もしiPod PhoneとかPodPhoneとか何とか名前を変えたとしても、それが原因で売り上げが1台でも減ることはないだろうし、いずれにしても、みんなからiPhoneの名で呼ばれるだろう。それが現実だ」
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR