DVDレビュー
れこめんどDVD「アートスクール・コンフィデンシャル」(1/2 ページ)
「ゴーストワールド」 の監督×原作者、テリー・ツワイゴフ&ダニエル・クロウズが再びコンビ結成! 変人・奇人・イタい人々が集うアートスクールを舞台に、猟奇的殺人事件を追う刑事と、21世紀のピカソを目指すヘタレ青年の青春が交錯する……。これはいったい何のジャンルなんだ!
発売日:2007年4月18日
価格:3990円
発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間:102分(本編)
製作年度:2006年
画面サイズ:ビスタサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
ぬるい日常に苛立ちを感じつつ現実に対してどこまでも無力な女子の焦燥感を鮮やかに切り取り、単館系映画館で大ヒットした「ゴーストワールド」から早6年、監督テリー・ツワイゴフ、原作ダニエル・クロウズの、ある意味“最強”コンビが戻ってきた。
テリー・ツワイゴフの名を一躍有名にしたのは、1994年製作の「クラム」だ。「フリッツ・ザ・キャット」で知られるアンダーグラウンド漫画家ロバート・クラム原作のドキュメンタリーで、クラム本人のキャラクターも濃いことながら、元軍人の父、引きこもりの弟、カメラを拒否する姉妹など、どこをとっても壊れているクラム一家の面々はあまりにも強烈だった。
異様な家族に囲まれた少年ロバートは、自我を支えるため、正気を保ち続けるために漫画の世界に没頭した。良識派から変態的とすら評されるクラムの独特の作風がいかにして生まれ、育まれたのかがうかがえる秀逸なドキュメンタリーにしてアート映画だ。
その7年後、クラムの流れを継ぐ若手漫画家ダニエル・クロウズの代表作「ゴーストワールド」を、クロウズとともに脚本を執筆して映画化した。主演は「アメリカン・ビューティー」(99年)でケヴィン・スペイシーの反抗期まっただ中の娘を演じたソーラ・バーチと、「ロスト・イン・トランスレーション」(03年) で大ブレイクする前のスカーレット・ヨハンソン。
高校を卒業しても、夢も将来も見出せず街をうろつくバーチは、“ゴーストワールド”から抜け出せない。未来が分からず、さりとてそんな自分に絶望しているわけでもない。まだニートという言葉がなかった公開当時(01年)に、この映画は本国だけでなく日本の若者たちから熱狂的に受け入れられた。また大人の観客は、いい年こいて重度のレコードマニアを演じた孤独な中年、スティーヴ・ブシェミに感情移入したのだった。
続いて03年にはビリー・ボブ・ソーントン主演のサンタクロース映画「バッドサンタ」を手がけるが、ビリー・ボブ扮するアル中で女好きの不良サンタに、配給元のディズニーが「ファミリー映画を作れと言ったのに!」と激怒。日本公開は1年後のクリスマス・シーズンに延びてしまった。
思春期感度は抜群、でも後味は最悪……
そして今作は「ゴーストワールド」のダニエル・クロウズを共同脚本として迎え、「ゴーストワールド」以上に辛らつな視線で世界を睨みつける。思春期感度は抜群、後味は最悪な映画なので、確かに劇場公開には向いていないかもしれない。家の中でひっそりと鑑賞する方がいいのかもね。
18歳の童貞美学生ジェロームが、アートスクールで精神を崩壊させてゆくまでを描く悲喜劇。勉強もスポーツも苦手でイジメられっ子のジェロームは、唯一の得意分野である美術の才能を伸ばすべく、憧れのアートスクールに入学する。「美大の女は尻軽だから、やり放題だぜ」と嬉しいことを言われるが、そこにいるのは自意識の高い変人や不思議ちゃん、シラフで酔っ払っているようなイタイ学生ばかりだった。
ジョン・マルコヴィッチをはじめとする講師陣は尊敬できない人種ばかりで、おまけに行きつけのアート・カフェのオーナーは、ノンクレジット出演のスティーヴ・ブシェミ。
いまいちパッとしないジェロームだが、美人ヌードモデルのオードリーといい感じになって有頂天に。しかも彼女は有名アーティストの娘だった。あわよくばアート界にデビューするのも夢じゃない……と目論んだのも束の間、オードリーはジェロームより才能があると見込んだジョナにあっさりとなびいてしまう。
ジョナの描く絵は子供の落書きにしか見えないが、教授にも一目置かれている。恋愛とアート、ふたつの嫉妬で苦しめられるジェロームは、クリエイターにとってもっとも恥ずべき禁断の行為、盗作に手を染めようとまで追い込まれる。一方、その頃、学園内では連続絞殺魔が暗躍していた……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
10
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR