デジモノ家電を読み解くキーワード
「地デジ時代のテレビ録画」――テレビとビデオの役割分担が変わる?
DVD/HDDレコーダーが売れない理由
「地デジ」こと地上デジタル放送には、ノイズやゴーストの消滅など信号のデジタル化に伴う恩恵と、効率的なデータ送信の実現による映像の高精細化と多チャンネル化、データ放送や双方向通信といったサービスの向上など、さまざまな利点がある。2011年に従来のアナログ放送が停波するという後押しもあり、数年内にテレビ放送の主役になることは確実だ。
一方、このところDVD/HDDレコーダーの販売が低迷している。需要が急増するオリンピックやワールドカップのような大イベントがないこともあるが、地デジのハイビジョン映像に見慣れた消費者がアナログ放送の映像品質には満足できなくなったから、という見方もある。不正コピー防止目的で採用されたCPRMの不便を指摘する声もあるが、おそらくそれだけでは説明不足で、ハイビジョン番組を録りためるには少ないHDD容量がDVD/HDDレコーダーの買い控えに拍車をかけているのが事の真相だろう。
HDDを搭載した薄型テレビが増加中
そのような状況下、日立製作所から薄型テレビ「Wooo」の新型機が発売された。着脱可能なHDDユニット「iVDR」規格を利用した「iVポケット」を採用、デジタル放送録画用のメディアとして利用できることが特徴だ。iVポケットは別売りされるため、容量が不足すれば買い増しできる。
4月には、東芝の液晶テレビ「REGZA」にHDD搭載モデルが追加された。HDD搭載機種は初ではなく、2006年10月発売のH2000シリーズにもHDDが搭載されていたが、今度のH3000シリーズでは増設用にeSATAインタフェースを装備。iVDRほどイージーではないものの、より安価にHDDを増設できることがウリだ。
録画はテレビで、ライブラリ化は次世代DVDレコーダーで
テレビ側で録画が可能になった背景には、デジタル放送の普及がある。基本的にMPEG-2 TSストリームをそのままHDDに記録すればよく、従来のDVD/HDDレコーダーのように、アナログ信号をMPEG-2エンコードしたり、D/A変換したりなどの複雑な装置は必要ない。
ということは、録画予約に適したEPGを利用できるテレビ側で録画を行い、映像のライブラリ化は次世代DVDレコーダーに任せたほうが効率的だと考えられる。Blu-RayとHD DVDが本格的に普及してからの話だろうが、一度見て消す番組はテレビ側で完結させ、ライブラリ化したい番組のみ次世代DVDレコーダーにムーブするという活用スタイルならば、2つのリモコンを相手に格闘したり、容量のかさばるハイビジョン映像の処理に困ったりすることもなくなることだろう。
執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)
ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
8
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
9
GMO、攻撃者による情報公開を確認 顧客データ含むか調査中 追加の見舞金も検討
-
10
タイムズカー、お見舞金3000円の算定基準は? パーク24に聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR