PSP版「ハルヒ」にも 顔写真を“3D顔アニメ”にするソニー発の技術
いま写した顔写真が、1分後には3次元の“顔アニメ”になってぐりぐり動く――そんな技術を核にしたベンチャー企業・モーションポートレートがこのほど設立された。1枚の2次元画像から3次元映像を作り出すソニー木原研究所発の技術「MotionPortrait」を、ゲーム業界などに売り込んでいく。
2次元の静止画から3次元映像を作成。マウスの動きに追従して顔が動く
写真だけでなく、キャラクターの画像を3Dアニメ化することも可能だ
MotionPortraitは、正面から撮った1枚の顔画像をPCで3D映像化し、マウスの動きに合わせて顔を傾けさせたり、目線や口を動かして表情を変えさせたりできるソフトウェア技術だ。
2次元の顔画像から目や鼻、口など特徴点を抽出し、仮想的に3次元化。あらかじめ設定しておいた目や口、首などの動きのパターンに合わせて“仮想3D画像”を動かす。人の顔写真だけでなく、キャラクターの顔画像でも利用可能だ。
プログラムは一般の3Dモデリングツールよりずっと軽いといい、デモ用のハイスペックノートPCなら、顔写真を数秒で3D化できた。Flashを使ってWebブラウザ上で動作させたり(同社サイト上で試せる。女性画像周辺でマウスポインタを動かすと女性の顔が動く)、Javaアプリ化して携帯電話上で動かすことも可能だ。
携帯でもぐりぐり動く
一般のモデリングツールは、動きを精密にするほどポリゴンが増えるが、MotionPortraitは静止画の情報を最大限にを生かし、ポリゴンの数を一般の3D映像の100分の1ほどに抑えたことで、軽快な動作が可能になったという。
モーションポートレートは、この技術を生かしたビジネスを展開するベンチャー企業。ソネットエンタテインメント(So-net)グループが100%出資し、7月3日に設立された(関連記事参照)。
アニメやゲームなどでの同技術の活用を想定しており、すでにPSP版「涼宮ハルヒの憂鬱(仮)」(バンダイナムコゲームス)での採用が決まっている。今後は、ブログパーツやSNSのプロフィール画面への採用、携帯電話の着信アニメへの応用などを呼びかけていく。同技術を活用したポータルサイトを構築し、広告収益をあげる――といったことも検討する。
撮ったばかりの顔写真を数秒で3Dアニメ化できるため、ファッション関連のシミュレーションツールとしても応用できるとしている。例えば、眼鏡店で、自分の顔の3D映像と気になる眼鏡の3D映像とを組み合わせて似合うかどうか確かめたり、美容院で髪型が似合うかどうかをチェックしたりする――といった活用法だ。
無線LANで「GPSより精密に」位置情報を
ソニーコンピュータサイエンス研究所発の技術を活用したベンチャー企業も、7月3日に設立された。無線LANの電波を使った現在地推定技術「PlaceEngine」をビジネス化する「クウジット」で、モーションポートレートと同じ7月3日に、So-netグループが100%出資して設立した。
PlaceEngineは、受信中の無線LAN電波から現在地を特定する技術だ。緯度・経度などから成る位置情報と、その場所で受信できる無線LAN基地局ID・電波の強さとを対応させたデータベースをあらかじめ構築。受信中の無線LANの電波情報と、データベースとを照らし合わせて位置を特定する。
GPSよりも高速に位置を特定でき、GPS電波が届かない屋内でも利用できるのがメリット。いまいるフロアの階数などもとらえられる。
基地局情報は手作業で更新していく必要があるが、ユーザーの力を借り、基地局情報をWebサイト「PlaceEngine」に投稿してもらうなどして精度を高めている。
同技術はすでに、PSP用地図ソフト「みんなの地図2」やナビゲーションソフト「プロアトラス トラベルガイド」に採用されている。WebサイトではAPIを公開しており、「駅探ラボ」「gooラボ」などのマッシュアップサイトの地図関連サービスで活用されている。
ビジネス面では、PSPなど携帯端末向けの技術提供を続けていくほか、無線LAN機能付きデジタルカメラに同技術を提供して撮影場所を特定できるようにしたり、携帯電話用アプリに搭載してもらう――などといった活用を想定している。将来は、特定のビルのフロア限定で広告配信するなど、位置情報とひも付けた広告事業も視野に入れている。
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