業界人が告白
Second Life「企業が続々参入」の舞台裏(1/3 ページ)
あの有名企業までSecond Lifeに参入し、仮想店舗でプロモーションを始めた――そんなニュースが相次いでいる。だが華やかな報道でSecond Lifeに触れ、実際にログインして仮想店舗を訪れてみると、拍子抜けしてしまうユーザーがほとんどかもしれない。
三越、野村証券、ソフトバンクモバイル、ブックオフコーポレーション、エイチ・アイ・エス(HIS)、NTTドコモ、テレビ東京……8月21日昼、記者は有名企業のSIMや仮想店舗に改めて訪れてみた。最も人が多かったのはHISの3人、ほかは1~2人で、NTTドコモには店員しかおらず、ソフトバンクモバイルや野村證券には誰もいなかった。平日の昼間ということもあるだろうが……
各社とも店舗はそれぞれ凝った作り。動画が再生できたり、無料アイテムがたくさん置いてあったりするのだが、とにかく人がいない。アバターがたくさん立っていて「にぎわってるなぁ」と思っても、よく見たらはりぼてだった、という漫画的なオチがつくことも多い。
店舗や独自SIMを作っても人は来ない――これはいまに始まったことではなく、日本企業の「Second Lifeラッシュ」が始まった今春から変わらない、仮想世界の風景。新規参入する企業は、先輩企業の仮想店舗に人が来ない様子を見ているはずだ。
それでも企業が次々とSecond Lifeを目指す。それはなぜだろうか。都内の広告関連企業で、企業のSecond Life活用に関わってきた2人に、匿名で舞台裏を明かしてもらった。
経済紙の報道、企業幹部を動かす
企業がSecond Lifeプロモーションを考え始める最大のきっかけが、経済紙の報道だという。今年初めごろから経済紙には「Second Lifeは世界で何百万人ものユーザーが利用して大人気。大企業の参入が相次いでいる。仮想通貨を現金に換える仕組みがあり、次世代の新ビジネスが期待できる」などいった記事がひんぱんに載っており、企業の参入事例も大きく取り上げられる。
「Second Lifeが米国から日本に入ってきたときの報道のされ方が、そもそもいびつな流れの原因だと思う。ユーザーがいかに楽しんでいるかではなく、大企業が参入し、お金が動き、億万長者になったユーザーがいる、という面ばかり強調されてきた。その文脈が国内の報道でも続いている」
さらに、Second Lifeにビジネスチャンスを見出した大手広告代理店が、企業や媒体にSecond Lifeの可能性を説いて回るなどして報道がヒートアップ。3Dアバターで企業SIMを飛び回るビジュアルは何よりインパクトがあり、分かりやすい。報道を見た企業幹部や広告宣伝担当者などが興味を持ってSecond Lifeプロモーションを検討し、広告関連企業に相談を持ちかける──という流れだ。
2人はこういった相談を何度となく受けてきたという。「ジャンルを問わず、さまざまな企業の相談に乗った。『社長や取締役がSecond Lifeで何かやれと言っているんだが、Second Lifeとはいったい何なのか説明してほしい』といった依頼が多く、ノートPCを持って説明に走り回り、Second Lifeの世界を見せて回った」
人はいなくてもSecond Lifeを使いたい
「Second Lifeに人はいない」――2人はそう感じている。相談を持ちかけてくる企業の担当者には、最初に「Second Lifeにはあまり人がいないから、参入しても来訪者数は期待できない」と説明するという。
Second Lifeはそもそも、ユーザー数が少ない。総登録アバター数は、8月21日時点で約900万に上るが、米Linden Labの発表(Excelファイル)によるとアクティブアバターは49万(7月時点、当時の登録ユーザーは773万、アクティブ率約6%)で、うち日本人は2万7000に過ぎない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR