デジモノ家電を読み解くキーワード
iPod touchの未来を示す2つのキーワード
iPodファミリーが約1年ぶりにフルモデルチェンジ、320×240ピクセルのカラー液晶を搭載した「iPod nano」と容量の増えた「iPod classic」、5種類のボディカラーを持つ「iPod shuffle」とリリースされたが、なんといっても注目すべきは「iPod touch」。今回は、そのiPod touchを2つのキーワードからひもといてみよう。
共通項は「OS X」?
iPod touchを“iPhoneから音声通話機能を取り去ったもの”とする表現を耳にするが、これは完全な誤りではないものの、的を射ているとは思えない。iPod touchはカメラ非搭載、Bluetoothには対応せず、スピーカーとマイクも省略されるなど、iPhoneとは見た目以上にハード面の違いが多い。ソフト面も例外ではなく、iPod touchにはメールクライアントもなければGoogle Mapsもない。音声通話機能の有無にかぎらず、両製品は似て非なるものと解釈すべきだ。
共通のキーワードがあるとすれば、それは「OS X」だろう。従来iPodは他社(Pixoといわれている)技術をベースとしたファームウェアを採用してきたが、おそらくiPod touchにはOS Xベースのシステムが採用されている。Appleは公式にコメントしていないが、液晶画面を指で触れて操作を行う「マルチタッチUI」、Webブラウザの「Safari」がiPhoneと共通なことは、その証拠といえる。
「無線LAN」がiPod touchの未来?
iPodはホビー指向のデバイスであり、Mac(Macintosh)と同じ目線で論じることはできない。しかし、開発環境が共通でMac OS Xサブセット版の機能を利用できるということになれば、話は違ってくる。
Cocoa APIの活用は真っ先に思いつく利点だ。QuickTimeに代表されるマルチメディアAPIの移植も期待できる。Safariに「WebKit」や「WebCore」は1つの例だが、ベースがUNIXということからオープンソースの技術も取り入れやすい。従来のファームウェアでも実現不可能なことはないかもしれないが、開発環境の整備されたMac OS Xのほうが開発速度とコストの両面で有利なはず。
そして、それらの技術をいかすのが、ほかでもないiPod touchの新機能「無線LAN」(IEEE 802.11b/g)だ。当面は現状のままだとしても、情報端末として十分に活用可能な処理能力を持つことからすると、Webサーフィンや一部のコーヒーショップで音楽をダウンロード購入するためだけに使われ続けるとは思えない。そこには明確な意図が働いているはずだ。
(システムがOS Xベースだとすれば)今後、どのような方向へ進化するかだが、やはり無線LANを生かしたコミュニケーション機能が追加されると考えるのが妥当だろう。VoIP端末という新味に乏しい機能ではなく、もちろんPDA的な機能でもなく、ホビー指向というポリシーに沿ったAppleらしいテイストの機能になるのではないだろうか。ともあれ、今月末に予定されている製品の出荷を待ちたい。
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