JASRACシンポジウム
“タダが当たり前”の時代、コンテンツ産業に起死回生の魔法はあるか(2/2 ページ)
日本版フェアユースで「MAD認めて欲しい」と川上会長
ネット時代に対応したコンテンツ産業の振興を図るための包括的な権利制限規定「日本版フェアユース」や、著作権者の権利を制限して過去のコンテンツをネット配信しやすくする「ネット法」の議論も盛んだ。菅原常務理事は「一瞬の流通促進にはなるが、その後バラ色にはならない」と見る。
「コンテンツが流通するかどうかはコンテンツホルダーの意欲にかかっており、ビジネスモデルがあるかが問題になってくる。高速道路を作ったが、流れている車がないので、流れるものはタダにしようという変な議論になっている」(菅原常務理事)
堀社長は「フェアユースの日本版と言われるが、何が日本版なのかさっぱり分からない」と話す。「もともとは検索エンジンの検索結果に表示するサムネイル画像を認めるかどうかという議論から始まったはずが、ネットコンテンツ全体にすり替わってきている。先進国で、権利制限をして何かを流通させようと議論をしている国はない」
岸教授も、ネット法と日本版フェアユースは「最低最悪だ」と厳しく批判する。「ネット法で著作権者の権利制限をするならば、権利制限せざるを得ない公益性がなければならないはず。立法論から言っておかしい」
フェアユースについては「権利制限の一般規定はあったほうがいいとは思う。だが議論を見ると、フェアユースでコンテンツを利用しやすくして、コンテンツ産業に新規参入するベンチャーのリスクを下げるといった意味不明な理屈を言っている」(岸教授)と話した。
川上会長はフェアユースについて「MADやパロディが認められるようになればと思っているが、そういう議論がされていないのでは」と話す。
日本のコンテンツを世界へ
日本のコンテンツ産業を盛り上げるため、コンテンツを海外発信していくべきだという意見も交わされた。「日本のコンテンツは、表現も自由で面白い。グローバルに広げるという議論をすべき」と堀社長は前向きだ。
菅原常務理事も「着メロのように、関わる人がそれなりに幸せになれるビジネスモデルができるのでは」と話し、ビジネスモデルごと海外に持って行くというアイデアを提案していた。
川上会長もこの考えに賛成だ。「もうかるところにコンテンツは集まる。米国のゲームソフトのマーケットは、質の悪いソフトが乱発されていたが、任天堂が良いものを作って復活させ、それまでPCゲームを作っていた会社もソフトを作るようになった。かつてのプロレスも、日本ではもうかるから、レスラーが世界中から集まった。もうかるコンテンツプラットフォームを作れば日本が主導権を握れる」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
3
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
4
「裏垢暴露」のつもりが警察沙汰 暴露系YouTuberが著名VTuberの“なりすまし”に騙されていた
-
5
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
6
松屋のアプリに不正アクセス、約238万件の個人情報が漏えい 停止中の補償も予定
-
7
無印良品、不正アクセスで最大2726万件の会員情報漏えいか 退会済みのユーザーも対象
-
8
松屋の公式アプリとWebサイトが停止 不正アクセスを検知、モバイルオーダーや弁当予約も使えず
-
9
ベネフィット・ワンの委託先に不正アクセス セゾン会員向け優待サービスで約2.9万人分の個人情報漏えい
-
10
総務省、GMO攻撃者サイトの「ブロッキング」を通信各社に要請 報道
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR