2009 Inernational CES
ドルビー、「ProLogic IIz」と家庭用3D技術をお披露目(2/2 ページ)
BDやHDMIは従来のまま――家庭用3D技術
一方、バックヤードで行われた3D映像の記録方式に関する技術(名称未定とのこと)は、BDプレーヤーやHDMI接続は従来のままで、3D映像に必要な左右の像を3D対応テレビに送るというものだ。既存技術を変更せずに3Dコンテンツを伝送する方法としては、リアルDの“サイドバイサイド”(横方向の解像度を半分に減じ、左右の絵を並べる方法)が知られているが、ドルビーの方式では画素を市松模様に間引くことで左右の映像を1枚分の画素数で伝送する。
コンテンツをBlu-ray Discなどに収録する方法は変更する必要がなく、HDMIの仕様も変更する必要がないのが利点だ。ディスクを制作するオーサリングの時点で3D映像であることを決めておくのだから、それも当然だろう。もちろん3Dテレビの側に、ドルビー方式の3D映像をデコードする仕組みは必要だが、特定の3Dディスプレイ技術にも依存しない。
映像を市松模様とする利点は、解像感を失わずに済むという利点があるからだ。市松模様の間引きはサブサンプリング圧縮といわれるもので、適切な復元処理を行うことで半分に減らした画素から70%程度までの上方を復元できるとされる。アナログハイビジョン放送の方式として使われたMUSEが、同じくサブサンプリング圧縮を用いていた。
ただし、輪郭に関してはシャープに復元できるものの、細かなテクスチャー上方は復元しにくいようだ。フルHD最大の利点である質感表現が甘くなってしまう。この点と既存システムを大きく変更する必要がないメリットをどのように見るかで、この方式の評価は変化するだろう。
ソフトには、2枚のサブサンプリング映像を重ねてエンコードする専用オーサリングが必要になる。2Dシステムとの互換性はソフトウェアの側にはないので、3D映像と2D映像を同時に収録するためには、同じ映像を2本ずつ入れなければならない(あるいは2枚のディスクに分けて収録するかだが、その場合はコンテンツのライセンスが2倍必要になるため、価格が高くなるだろう)。
なお、ドルビーとしてこの伝送方式を標準化提案する予定はないという。一方ではソニー、パナソニック、フィリップスに映画スタジオを加えたグループが、今年3月にもBlu-ray Discアソシエーション総会で3D映像の収録方式を提案する。昨年のCEATECでパナソニックが紹介した方式に近い方法での提案となる見込みだ(→“3D”に向けて本格始動するテレビ業界)。
ドルビーでは、「従来システムや規格を変更しなくとも、フルHDに近い高画質を3Dで楽しめる今回の提案は消費者にも利点が大きい」と話しており、テレビメーカーなどに採用を訴求していく予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR