セカイカメラ2.0はモバイルARのスキヤキになれるか(2/2 ページ)
- Twitter 360(350円)
12月1日にリリースされたばかりのiPhoneアプリ。フランスのPresseliteが開発した。TwitterとARを組み合わせ、Twitterのタイムラインを拡張現実にマッピングする機能があり、iPhoneを横向きにして、ツイートしたばかりのフォローしている人を見ると、だいたいその場所につぶやきが浮かんでいる、といった使い方ができる。地面にiPhoneを向けると、ツイートしている友人への方向矢印と距離が示されるのが面白い。ただし、正しい距離や方向が表示されるのは、ジオタグ付きで投稿されている場合で、現時点ではほとんどない。
Twitterへの投稿機能はセカイカメラの最初のバージョンに付いていたが、テキストや写真をエアタグにする際に、Twitterに同時投稿するだけの機能だった。だがバージョン2.0のAir Tweetでは大幅に機能強化され、この「Twitter 360」と同等の機能が無料で手に入ることになる。
- Stella Artois le Bar Finder(無料、未公開)
VentureBeatの記事によれば、AcrossAirという単機能のARアプリを13本も出している会社が先月、黒字になった。アプリが大ヒットしたからではない。大手ビール会社がスポンサーについたARアプリをリリースしたからだ。
このアプリは、Stella Artois(ステラ・アルトワ)というベルギーのビール会社が納品しているバーのデータベース(8万件に及ぶ)を、AcrossAirのARアプリにマッピングしたものだ。ここから、この会社のピルスナーを売っているバーをiPhoneをくるくる回しながら探せるというわけだ。
このアプリは今週公開予定。同社はWorkSnugというビジネスパースン向けの地域情報専門のアプリも出している。現在はロンドンとサンフランシスコに対応している。
こうした、特定店舗チェーンとのパートナーシップは、後述のLayarでは既にやっているし、セカイカメラもバージョン2.0からは、ゼンリンデータコムのマツモトキヨシ店舗情報を手始めに、法人向けの拠点案内ソリューション「e-map」に順次対応していく(ゼンリン、「e-map」と「セカイカメラ」の連携サービスを発表)。
Augmented reality does make money AcrossAir turns profitable, launches bar finder(VentureBeat)
日本ではシステム・ケイがローカライズやコンテンツの提供をしているLayar。10月15日に登場した。その名のとおり、自社、サードパーティを含めた多数のレイヤーをひとつずつAR表示することができる。
日本のコンテンツはシステム・ケイが多数追加している。Wikipedia、Twitter、Panoramio、Flickr、Brightkiteが既に用意されており、日本向けにもHot Pepperのグルメ情報や、システム・ケイによる銀行、コンビニなどの情報が多数追加されている。情報量が最も充実しているのがこれだ。
弱点としては、同時に1つのレイヤーしか表示できないこと、自分での情報発信に難があること。「みんなのLayar」というWebサービスでの投稿が可能だが、アプリ内にはなく、現時点では使いづらい。コミュニティー構築用のアプリではない。
データベースの拡充という意味では、セカイカメラにとって強力なライバルだろう。セカイカメラはOpenAir APIのOpenAir Federationにより外部のロケーションベース情報と連動したエアタグ表示が可能になる。
- junaio(無料)
ARソリューションの老舗であるドイツのmetaioが11月11日にリリースした「ソーシャルAR」アプリ。自分で撮影した写真をその場に投稿することができる。アニメーションする3Dモデルをカメラビューと重ね合わせることで面白みを出している。撮影されたものは世界中のjunaioユーザーと共有される。
コミュニティーを意識しているメジャーなARアプリは、セカイカメラ以外ではこのアプリくらいしかない。まだ荒削りなユーザーインタフェースだが、コンセプト的には最も近いので、彼らが世界でどのように受け入れられるかは気になるところだ。
3Dオブジェクトの配置では、アプリケーション間通信であるOpenAir IACを使った「Jazz Sculptor」がセカイカメラの新バージョンでデモされた。くるくる回る3Dオブジェクトをタップすると、3D彫刻アプリの「Jazz Sculptor」が立ち上がり、そこで変更して保存すると、セカイカメラに戻ったときに反映されるというスムーズな仕組みが実現されている。ほかの3Dアプリでも同様のことが可能になるはずだ。
- buUuk(無料)
シンガポールの同名企業による「buUuk」は9月30日という早い時期にリリースされた。基本的にはレストランガイドで英文のみ。無料だが、機能はおそらくARアプリの中で最も充実している。世界主要都市の4万5000件の飲食店解説を収録。セカイカメラとはまったくベクトルが異なるけれども、別の意味で完成されたアプリだ。
秀逸なのは、BBS的なコミュニケーション機能を持ち合わせていること。Facebookとの連動が可能。その店の名前を入れてFacebookステータスをアップデートすることが簡単にできる。
カメラビューはあくまでもオプションで、地図、衛星写真のモードもある。飲食店のデータからは電話も可能で、地図だけでなく、3GSであればコンパスで方向も示してくれる。評価システムも用意。ユーザーインタフェースは非常によくできている。
基本はレストランガイドなので、それ以上の要素はないが、投稿機能もあり。完成度は著しく高い。
一方、セカイカメラはSekai Life、Sekai Profile、Air Followという一連のソーシャル機能を追加した。buUukへのキャッチアップ以上のものはこれでできるはずだが、Facebookとの連携を求める声は今後出てくるのではないかと思う。
iPhone用のAR系アプリはほとんどチェックしてきたつもりだが、これまでリリースされてきたARアプリの中で、セカイカメラ2.0の多機能、ユーザーインタフェースのシンプルさはダントツだ。この「Sukiyaki」が世界のiPhone用ARアプリでナンバーワンを取るのは時間の問題ではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
6
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
7
早すぎる 「めっちゃカメレオン」Switch 2版、即日10万本突破
-
8
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
9
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR