「感情」を獲得した初音ミク――「ダーク」「ソフト」でうたってもらった(2/2 ページ)
全部まぜてみた
単独で歌いなおした曲を聴いていただければ、初音ミク、「soft」「dark」のそれぞれの特徴は感じていただけると思うが、別の使い方を実験してみた。1つの曲の中で複数の歌声を切り替えて使うのはどうだろうか?
同じ曲だが、オリジナルのミク、「soft」「dark」を歌詞の感情的な動きに従って声を切り替えてみた。ミク→soft→dark→ミク、といった具合にスイッチしている。今回はGarageBandで切り貼りしたが、製品版が出てくれば、VOCALOID EditorのSingerを音符単位で切り替えることができる。
これまでは複数のSinger設定を切り替えたり、GEN(ジェンダーファクター)やCLE(クリアネス)、OPE(オープンネス)といったパラメータを描くことで感情を表現しようとしていたものが、Singerの切り替えならば簡単にできる。もちろん、従来の調声テクニックと組み合わせれば、感情表現はさらに豊かなものになるはずだ。
さらに、2パートのコーラスのところでは、オリジナルミク、「soft」「dark」を同時に発声させている。ミクのバリエーションによる同時発声だけあって、まったく違和感がない。3つの声を別トラックにしてVOCALOID Editor上でミックスすれば中間的な声にもなったりするのだろうか。
同一歌手による複数の表情。ある表情から次の表情への変化が急に切り替わるのではなく、なだらかに遷移してくような効果が出せるとさらに面白くなるのだが、それは現在のVOCALOID 2エンジンではできない。VOCALOIDの生みの親であるヤマハの剣持秀紀氏が最近になって開発表明したVOCALOID 3ではどうか? クリプトンはほかのVOCALOIDのAppend化も検討しているようなので、ヤマハのロードマップに期待したい。
Appendの追加表情ライブラリで「感情回路」が組み込まれる初音ミク。いったんその「感情」に触れてしまうと後戻りができなくなる。
デモ版は2週間の利用制限があるが、期限が切れる前にわれわれは製品版を手にすることができるだろうか? クリプトンはまだ価格も発売日も明らかにしていない。ここで「タイムリミット」の気分を再び味わうことになるとは……。クリプトンからの続報を待ちたい。それまではせいいっぱい「soft」と「dark」に活躍してもらうことにしよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR