ブレイクは2年後?
最大2Tバイトの新世代SDメモリーカード「SDXC」、使う前に知っておきたいコト(1/2 ページ)
「SDXCメモリーカード」とは、現行のSDHCを大幅に上回る最大2Tバイトまで容量を拡張できる次世代のSDメモリーカードだ。パナソニックからはすでに48G/64Gバイトカードが登場しているほか、東芝とサンディスクからも64Gバイトカードが間もなく出荷される予定で、キヤノン「EOS Kiss X4」(レビュー:成熟したエントリー向けデジタル一眼――キヤノン「EOS Kiss X4」 )など利用できる製品も徐々に増えつつある。
より大容量のカードとなる新規格のSDXCカードだが、実際に利用する前に知っておきたいこともある。SDXCの概要とともに注意点を把握しておこう。
「SDXC」とはなにか、使用上の注意
SDXCとは前述のように既存SDメモリーカード規格である「SDHC」の上位にあたる規格で、ファイルシステムにFAT16(SDメモリーカード)やFAT32(SDHCメモリーカード)ではなく「exFAT」を採用しているのが大きな相違点に挙げられる。この相違点による最大のメリットは、やはり32GバイトというSDHCメモリーカードの容量の上限を突破したことだ。
デジタルカメラの高画素化だけならば32Gバイトでも十分という判断もできたが、フルハイビジョン映像の保存メディアとして考えるならば32Gバイトでも力不足だ。実際、フルハイビジョン AVCHD/24Mbps記録モードの搭載が標準的となった家庭用デジタルビデオカメラの2010年春モデルでは、64Gバイトのメモリを搭載している製品が多数登場しており、映像(動画)保存も念頭にすえるならば、32Gバイト以上の記録が可能なメディアの登場は当然の帰結といえる。
ちなみにFAT16/32はHDDでの利用を念頭としていたが、exFATはNAND型フラッシュメモリの構造を意識した設計がなされており(初めて導入されたOSはフラッシュメモリの利用を念頭とした組み込み用OSの「Windows Embedded CE 6.0」)、その経緯から「完全な互換性」は持たない。
しかし、SDXCは既存SDメモリーカード規格に対しての下位互換性を持っており、デジタルカメラなどで「SDXC対応」と明記された製品ならばSD/SDHC/SDXCの各メモリーカードが利用できる(逆に言えば、SD対応製品ではSDHC/SDXCメモリーカードは利用できない)。カメラなどの利用に際してはカメラのカタログをチェックする、あるいは、メディアスロット部の記載をチェックするなどで対処できるが、気をつけておきたいのがパソコンでの利用だ。
SDXCで採用されているファイルシステムであるexFATは現在、Windows XP SP2以降でサポートされているが、SDXCメモリーカードをパソコンで利用する際にはWindows XP SP2についてはMicrosoftより提供されているパッチを当ててやる必要がある。Windows VistaはServicePack 2で対応、Windows 7はネイティブ対応している。
パソコンのSDカードスロットでSDXCカードを使用するには、今後対応OSが増えてくるということだが、現時点ではWindows VistaにSDアソシエーションより提供されている専用ドライバをインストールする必要がある(SD Associationの英語版サイトからはWindows 7用ドライバも提供されている)
その他のOSは対応リーダー/ライターを用意することになり、Mac OSについては対応待ちの状況だ。なお、前述のサンディスク製品は事前にexFATによるフォーマットが行われているため、対応デジタルカメラなどで利用するだけならばパソコンでフォーマットしてやる必要はない。
SDHCでは速度を表す表記として「SDスピードクラス」が導入された。Clsss2は2MB/sec、Class4は4MB/sec、Class6は6MB/sec、Class10は10MB/secの転送速度が保証される。またSDメモリーカード規格Ver.3.00では、高速インタフェース規格「UHS」である50MB/sec、104MB/sec、300MB/secという3つの転送モードが規定されている。これはあくまで規格上の数値であり、搭載するチップなどによって実測値は異なる。また、規格として製品にSDスピードクラスのような表記を行うかは現時点では未定だ。
サンディスクの64GバイトSDXCメモリーカードは、実測スピードこそリード/ライトともに15MB/secとClass10の最低保証データ転送速度である10MB/secを上回るが、「Class4」の表記となっている。これはClass4ならば、現状のデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの機器でストレスなく対応できるという安心感を明確にするためであり、また、15MB/secの転送速度は、製品ごとのバラツキをなくして全製品で安定した高速転送を実現するためのバランス重視の製品作りを行った結果だという。
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